介護の仕事への影響、「就業時間に制約」が最大の懸念
   
カテゴリ:その他
作成日:03/10/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 日本能率協会が、全国のビジネスパーソン1000人を対象に実施した「仕事と介護に関する意識調査」結果によると、介護経験の有無については、「あり」が20.9%、「なし」が79.1%だった。年代別では40代以降に徐々に増加している。また、「介護離職」についての考えを聞いたところ、「できればしたくない」が27.4%、「したくない」が19.0%と、半数近くの人が「したくない/しない」と回答している。

 介護が仕事に及ぼす影響(複数回答)は、全体では「就業時間に制約が出る」が39.6%で最多、「同僚・部下に迷惑がかかる」(27.8%)、「給料が下がる」(26.8%)と続く。介護経験者では、1位の「就業時間に制約が出る」が47.8%と半数近くにのぼり、3位に「仕事以外の付合い(飲み会など)ができない」(27.8%)が挙げられ、仕事と介護の両立には、「時間」の確保が解決の糸口となっていることがうかがえる。

 また、介護において不安に感じる(感じた)こと(複数回答)は、「経済的に苦しくなること」が43.7%で最多、次いで「自由時間に制約が出ること」(39.2%)、「体力が続かなくなること」(38.2%)が上位3つとなった。介護経験の有無でみると、介護経験のない人は、「経済的に苦しくなること」(44.9%)が最多、「体力が続かなくなること」(36.3%)、「自由時間に制約が出ること」(35.3%)の順だった。

 一方、介護経験のある人は、「自由時間に制約が出ること」(54.4%)が最多、「体力が続かなくなること」(45.5%)、全体では4位(35.5%)だった「仕事時間に制約が出ること」(43.1%)、「経済的に苦しくなること」(39.2%)と続き、経済的なことよりも体力面や時間面に不安を感じていることがうかがえる。

 介護経験のない人が家族の介護が必要になったときの対応では、「どうするか分からない」が58.8%と約6割にのぼり、28.3%と約3割が「自分又は自分の家族が主な担い手」とした一方、「介護施設・サービスが主な担い手」(12.9%)は1割程度にとどまった。年代別でみると、「どうするか分からない」はそれぞれ41.3%、47.1%に減っているものの、60代でも半数近くが家族の介護についてイメージしていないことが分かる。

 同調査結果はこちら