景況感が回復するなか、消費は「利便性」重視へ
   
カテゴリ:その他
作成日:11/24/2015
提供元:21C・TFフォーラム
  


 野村総研が全国の15歳~79歳の男女1万人を対象に7~8月に実施した「生活者1万人アンケート調査」では、景況感が回復するなか、消費は「利便性」重視の傾向が増えていることが分かった。2012年から2015年にかけて、日本人の景況感は回復基調にあるが、調査結果によると、景気の見通しでは「よくなる」と答えた人が5.7%から11.6%へと増加、「悪くなる」が40.1%から22.3%へと大きく減少した。

 情報端末の普及も急速に進み、スマートフォンの個人保有率は2012年の22.8%から51.8%へと増加、タブレット端末の個人保有率も4.8%から18.4%に増えた。そのような状況下、消費価値観に関わる設問群から野村総研が導き出している「4つの消費スタイルの動向」をみると、「利便性消費(購入する際に安さよりも利便性を重視)」の割合が、2000年の37%から2015年は43%へと増加している。

 スマートフォンという手軽で便利な情報端末が普及し、忙しい共働き世帯が増えたことにより、「価格にあまりこだわらず、便利な手段を利用して欲しいものを買う」というスタイルが増えているとみている。なお、2000年の13%から2012年の22%まで一貫して増加傾向にあった「プレミアム消費(自分が気に入った付加価値には対価を払う)」の消費スタイルの割合は、2012年から2015年にかけては横ばいの状況にある。

 インターネットショッピングの利用者は、いずれの年代でも着実に拡大している。特に20代で大きく増加し、利用率が71.5%と7割を超えた。利用者の年間利用回数も、2009年の11.0回/年から2015年の14.8回/年へ増えてきている、消費の際の情報源として、「携帯端末で利用するインターネット」が大きく伸びる傾向にある一方で、テレビCMや折り込みチラシなど、その他のメディアの参照度は減少している。

 なお、「実際の店舗に行かずに、インターネットだけで商品を買うことがある」と回答した人の割合は、2012年の27.5%から2015年には37.1%へと、3年間で10ポイント近く上昇した。インターネットの消費への活用が、地方部や高齢者層にもますます普及したり、インターネットでの消費経験がさらに高度化したりすることで、購買時の情報源としての各メディアの力関係は、今後も変わっていくと予想している。

 同調査結果はこちら