6月書面調査、7~8割の事業者が消費税を「全て転嫁」と回答
   
カテゴリ:税務
作成日:07/24/2015
提供元:21C・TFフォーラム
  


 経済産業省では、平成26年4月の消費税率引上げを踏まえ、転嫁状況を定期的にモニタリングするため、同年4月から転嫁状況に関する事業者へのアンケート調査を実施している。このうち、「6月書面調査」の調査結果(有効回答数9822事業者)がまとまったので7月22日、公表した。同省では、現在まで引き続き、監視・取締りを強化し、転嫁拒否の未然防止、違反行為への指導など迅速な是正を行っている。

 6月書面調査結果によると、消費税の転嫁状況について、事業者間取引では84.4%、消費者向け取引では70.5%の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、前月比でそれぞれ▲1.5ポイント、▲1.4ポイントだった。「全く転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では3.8%、消費者向け取引では6.1%で、前月比でそれぞれ+0.2ポイント、+0.7ポイントだった。

 事業者間取引において転嫁できた理由としては、66.1%の事業者が「以前より消費税への理解が定着しているため」と回答。次いで、「本体価格と消費税額を分けることにより交渉しやすくなったため」が23.5%、「消費税転嫁対策特措法等により消費税転嫁拒否規制が強化されたため」が10.4%、「自社商品のブランド・競争力が強く、価格決定権が自社にあるため」が6.7%、などとなっている。

 実際に転嫁拒否行為を受けたと回答した80社の事業者のうち、「減額」と回答した事業者が最も多く55.0%、次いで「本体価格での交渉拒否」が36.3%だった。また、「全て転嫁できている」と回答した事業者を業種別にみると、「卸売業」が88.9%と最も高く、次いで「製造業」が88.3%、「建設業」が86.5%と続き、最も低い「小売業」でも80.3%と80%を超えている。

 一方、消費者向け取引において転嫁できた理由としては、68.1%の事業者が「消費者において消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透したため」と回答。次いで、「本体価格と消費税額を分けることにより値上げへの反発が和らいだため」が25.3%だった。「全て転嫁できている」事業者を業種別にみると、「卸売業」が83.5%、「建設業」が80.9%、「運輸業、郵便業」が79.4%の順。最も低い「サービス業」は64.4%だった。

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