日本鉄鋼連盟など9団体が法人課税改革へ共同要望
   
カテゴリ:税務
作成日:10/30/2014
提供元:21C・TFフォーラム
  


 日本鉄鋼連盟や電子情報技術産業協会、日本化学工業協会など産業界9団体は23日、企業の競争力強化に資する法人課税改革のための共同要望を発表し、グローバル経済の急激な変化の中で、成長志向の法人課税改革が早期に実現することを要望した。主な要望は、1)法人実効税率の国際的に遜色ない水準への引下げと2)税制の国際イコールフッティングと企業の実質的な税負担の軽減を実現する課税ベースの見直しである。

 1)では、わが国企業の国際競争力と国全体の立地競争力を強化するために、税制の国際的なイコールフッティング実現が求められるとして、税負担の適正化のために、可能な限り早期に法人実効税率20%台を達成し、わが国企業にとっての競争相手であり、成長著しい近隣アジア諸国並みの20%台前半も踏まえ、将来的にはOECD 諸国平均の25%程度まで着実に引下げるべきとしている。

 また、2)では、実質的な企業の税負担の軽減へ向け、今回の法人課税改革における課税ベースの見直しについて、研究開発税制や外形標準課税など5項目についての留意点を挙げている。まず、研究開発促進税制については、幅広く研究開発投資マインドを底上げする観点から、同税制の活用実績の大部分を占める総額型の税額控除の上限や税額控除割合等について維持・拡充し、諸外国を上回る制度へ再構築を図ることを求めた。

 次に、法人事業税における外形標準課税を挙げ、足元の赤字企業に対する課税を強化することや、賃上げの取組みに悪影響を及ぼす制度変更に反対を表明。3点目は受取配当等の益金不算入制度について、二重課税排除を徹底するという観点から、また、グループ経営の拡充や複数法人による事業再編を支える観点から、法人が受け取る配当等の全額を益金不算入とする原則を徹底するよう、制度を見直すことを要望した。

 4点目は欠損金の繰越控除制度について、本来的に繰越控除額や繰越期間には制限を設けるべきではなく、国際イコールフッティングの観点からも、同制度を維持・適正化することを要望。最後に減価償却制度の償却方法について要望し、資産の使用実態に合わせて償却方法を柔軟に選択できる仕組みが必要なことから、企業の設備投資を促進する観点からも、こうした柔軟性が損なわれるような制度の見直しは行うべきではないと指摘している。

 同共同要望はこちら