関税・消費税追徴税額、過去最高の1億2980万円
   
カテゴリ:税務
作成日:11/09/2011
提供元:21C・TFフォーラム
  


 財務省は、平成22事務年度(22年7月~23年6月)に、全国の税関が輸入者に対して行った事後調査結果をまとめた。調査は全国6031者の輸入者に行われ、申告漏れのあった輸入者は4226者だった。申告漏れに係る課税価格は1933億4126万円となり、これに対する関税・消費税の追徴税額は135億7863万円だった。関税・消費税の追徴税額に含まれる重加算税額は1億2980万円で、過去最高。

 納税額の不足が多かった品目は、「電気機器」、「光学機器等」、「機械類」、「織物衣類」、「調製食料品」で、これら5品目で、納付不足税額の総額の51.3%を占めた。また、主な申告漏れの内容は、1)インボイスに記載された決済金額以外の貨物代金の申告漏れ、2)海外生産のために輸入者が輸出者に無償で提供した原材料費用などの申告漏れ、3)仮インボイス価格と確定インボイス価格との差額の申告漏れなど。

 一方、全国の税関が輸入品に対する関税及び消費税等の脱税に係る犯則事件に対して行った犯則調査(納税義務者(輸入者)の脱税行為(犯罪行為)に対して刑事責任を追及する調査)結果によると、同事務年度中に130件の関税・消費税等の脱税事件に係る犯則調査に着手、犯則調査を終了して処理(検察官への告発又は税関長による通告処分)した件数は112件に及んだ。関税・消費税等の脱税額は、総額で3833万円。

 同事務年度の特徴は、東日本大震災後、紙巻たばこの密輸入事件を多数摘発したことで、年間約52万本を押収している。例えば、反則嫌疑者Aらは、スーツケースに大量の紙巻たばこを隠匿し、これを申告しないで、たばこ税等を免れていた。このほか、高関税率のこんにゃく粉の品名等を偽った関税脱税事件や金地金を申告しないで輸入しようとした消費税等脱税事件を処分している。

 輸入事後調査の状況は↓
http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/collection/ka231107b2.htm

 反則調査の状況は↓
http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/collection/ka231107c2.htm