10月から短時間労働者に対する社会保険の適用を拡大
   
カテゴリ:労務
作成日:07/22/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 今年10月1日から、特定適用事業所に勤務する短時間労働者は、新たに社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用対象となる。同一事業主の適用事業者の厚生年金の被保険者数の合計が、1年で6ヵ月以上、500人を超えることが見込まれる場合は、特定適用事業者として短時間労働者の適用拡大の対象となる。対象とならない企業でも、従業員の配偶者などが該当する場合には手続きが必要となるので、確認する必要があろう。

 これまで、パート等の短時間労働者は、勤務時間・勤務日数が常用労働者の4分の3以上の場合に社会保険の対象とされていたが、10月からは、勤務時間・勤務日数が常時雇用者の4分の3未満でも、1)週の所定労働時間が20時間以上であること、2)雇用期間が1年以上見込まれること、3)賃金の月額が8.8万円以上であること、4)学生でないこと、の4要件全てに該当する場合は適用拡大の対象となる。

 「所定労働時間」が週単位で定まっていない場合は、1ヵ月単位で定められている場合は1ヵ月の所定労働時間を12分の52で除して算定し、1年単位で定められている場合は1年間の所定労働時間を52で除して算定する。「雇用期間が1年以上見込まれること」では、雇用期間が1年未満でも、雇用契約書に契約が更新される旨又は更新される可能性がある旨が明示されている場合などは、該当することになる。

 「賃金の月額が8.8万円以上であること」では、週給、日給、時間給を月額に換算したものに、各諸手当等を含めた所定内賃金の合計額で判断する。ただし、臨時に支払われる賃金及び1月を超える期間ごとに支払われる賃金(例えば結婚手当、賞与等)や、時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(例えば割増賃金等)、最低賃金法で算入しないことを定める賃金(例えば精皆勤手当、通勤手当、家族手当)は除外する。

 なお、被保険者資格取得届、算定基礎届等の届出をする際の「報酬月額」については、短時間労働者についても一般の被保険者と同様に、臨時に支払われる賃金以外の時間外手当、精皆勤手当、通勤手当等も含めて届出をすることになる。また、「学生でないこと」では、卒業見込証明書があり、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務予定の人や、休学中、大学の夜間学部・高等学校の夜間等の定時制の在籍者は被保険者となる。