求職者支援制度の利用者は、女性が7割、男性が3割
   
カテゴリ:労務
作成日:12/16/2015
提供元:21C・TFフォーラム
  


 労働政策研究・研修機構は14日、労働政策研究報告書「求職者支援制度利用者調査」を発表した。求職者支援制度とは、雇用保険の失業等給付を受給できない求職者で職業訓練その他の就職支援を行う必要がある者に対して、職業訓練によるスキルアップを通じて早期就職を実現するために国が支援する制度であり、職業訓練の実施、給付金の支給、その他の就職支援を講ずることで就職を促進することを目的とする。

 調査結果(有効回答数6347人)によると、求職者支援制度の利用者は、調査時点(2012年時点)で女性が7割(66.3%)、男性が3割(33.5%)であり、概して30~40代では女性が50~60代では男性が多かった。男性では30~40代の回答者の7割が配偶者や子供のいない単身者だった。女性は30代以降で配偶者がおらず子供がいる割合が約4分の1程度あった。

 職業訓練及び就職支援の特徴をみると、職業訓練期間は3~4ヵ月未満が最も多く5割強、次いで「5~6ヵ月」が約3割。また、職業訓練受講給付金を受給した者は約5割だった。求職者支援制度を知った媒体は、「ハローワークのパンフレット等の広報」が約4割強と最も多く、以下、「ハローワーク職員に紹介された」が約3割強、「家族や友人・知人に勧められた」が約3割弱と続いた。

 制度利用理由は、「職業訓練を無料で受けられる(技能や知識を修得することができる)」が約7割で最も多かった。訓練分野は、「介護福祉」が約4分の1で最も多く、次いで「基礎コース」、「営業・販売・事務」が2割弱と続いた。就職支援のうち特に役立ったものとして、約6割弱が「履歴書の作成指導」、「個別の職業相談(キャリア・コンサルティング)」、「ジョブ・カードの作成の支援及び交付」を挙げた。

 訓練前後の変化をみると、訓練後に「受講した訓練分野の仕事をこなす自信がついたか」については、「やや自信がついた」が約5割弱、次いで「かなり自信がついた」が約1割だった。高齢者または若年、高校卒、正規就労経験年数なしの者、受講した訓練分野が「基礎コース」だった者で自信がついたと回答した割合が高かった。訓練前後の変化を検討した結果、職業スキル・生活スキルともに、「基礎コース」で訓練前後の変化量が大きかった。

 訓練終了後に就職先の条件が良くなった者は、女性、若年者、正規就労経験の短い者(またはない者)など、総じて訓練前にあまり良好な条件で働いていなかった可能性の高い者が多く含まれる利用者層で多かった。なお、追跡調査時点で一度でも就職している既就職者には、女性、子供あり、主な担い手と同居、本人収入多い、求職期間短い、訓練期間長い、介護福祉分野を受講などの特徴があった

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