レンタカー業者の総売上高、1兆円規模に迫る勢い
   
カテゴリ:経営
作成日:10/07/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 2015年度のレンタカー業者の総売上高が1兆円規模に迫る勢いであることが、帝国データバンクが発表した「レンタカー業者の経営実態調査」で分かった。まず、レンタカー業を主業とする企業256社を都道府県別にみた本社所在地は、最多は「東京都」と「沖縄県」の21社、以下、「北海道」20社、「愛知県」16社、「大阪府」13社と続いた。人口密集地である大都市圏のほか、年間を通して国内外から観光・リゾート客が訪れる沖縄県や北海道で、レンタカー業者が多く存在する。

 レンタカーを主業とする256社の売上高合計を過去5年間(2011~15年度)で比較すると、2011年度以降は増加基調で推移。2015年度は9892億3900万円と2011年度(8350億1200万円)から約1.2倍の売上規模で、売上高合計は1兆円規模に迫り、レンタカー市場の拡大が続いている。256社の増収・減収動向をみると、2015年度の売上高が前期比増となった企業は152社(構成比59.4%)判明した。

 これを年度別にみると、2011年度(137社、構成比62.0%)以降、増収企業の構成比は2年連続で増加。2013年度(167社、同70.5%)は過去5年間で最も増収企業の構成比が高かった。これは、2009年~14年3月まで、高速道路利用料金が最大で5割引になるといったETC特別割引の効果などにより、レジャー需要が増加したことがプラスに働いていたことが要因とみられている。

 256社を売上高規模別にみると、最も多かったのは「1億円以上10億円未満」の105社(構成比41.3%)で、「1億円未満」(40社、構成比15.7%)と合わせると構成比は57.1%にのぼり、中小零細規模の企業が過半数を占めている。また、256社のうち、直営やFC加盟を含むレンタカーブランド別にみると、最も多かったのは自動車メーカーや同リース会社などが保有するブランドを含む「大手6ブランド」だった。

 「大手6ブランド」は「トヨタレンタリース」、「オリックスレンタカー」、「ニッポンレンタカー」、「タイムズカーレンタル」、「日産レンタカー」、「バジェットレンタカー」の148社(構成比57.8%)。2015年度の売上高構成比をみると、「大手6ブランド」が91.5%(9049億1300万円)を占めた。ブランド別企業数では全体の約6割程だったものの、売上高では全体の9割以上を占めるなど、非常に高いシェアを保持している。

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