毎年10月は中小企業退職金共済制度の「加入促進月間」
   
カテゴリ:労務
作成日:09/27/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 厚生労働省は、毎年10月に独立行政法人勤労者退職金共済機構が実施している中小企業退職金共済制度(中退共制度)の「加入促進強化月間」において、この制度への加入促進活動や履行確保活動の後援者として、関係機関を通じてさまざまな活動に取り組んでいる。中退共制度は、独力では退職金制度を設けることが困難な中小企業に対して、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって設けられた国の退職金制度のこと。

 この退職金制度には、一般の中小企業が対象の「一般の中小企業退職金共済制度(「中退共」)」と、期間雇用従業者を対象とした「特定業種退職金共済制度(建設業退職金共済制度(「建退共」)、清酒製造業退職金共済制度(「清退共」)、林業退職金共済制度(「林退共」))」とがある。いずれの制度も、国が掛金を助成する。また、掛金は事業主が全額負担し、法人企業の場合は損金、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となる。

 国の掛金の助成は、例えば中退共制度の場合、新規加入事業主に対し、従業員ごとに掛金月額の1/2(1人当たり5000円が上限)を加入後4ヵ月目から1年間、助成する。掛金月額を増額する事業主に対する助成もある。建退共、清退共、林退共の各制度でも証紙の一定枚数分を助成する。

 中退共制度は、中小企業(業種によって範囲が異なる。一般業種の場合は常時雇用する従業員数300人以下又は資本金の額・出資の総額3億円以下)であれば、従業員を加入させることができる。掛金月額は、従業員ごとに5000円から3万円まで、16種類から選べる。(短時間労働者はこの他に2000円、3000円、4000円の特例掛金月額がある)。掛金は口座振替なので手間がかからない。

 退職金の額は掛金月額と納付月数で決まる。例えば、掛金月額1万円を10年間(120月)納付した場合126万5600円、20年間(240月)納付した場合266万6600円、30年間(360月)納付した場合421万3100円となる。過去の勤務期間や転職した場合の通算制度もある。

 また、建退共制度は、建設業営業者なら加入でき、掛金の額は1日310円。もよりの金融機関で「共済証紙」を購入し、労働者に賃金を支払うつど、働いた日数分の共済証紙を「共済手帳」に貼る。国が掛金の一部(初回交付の手帳の50日分)を助成。退職金の額は共済証紙の枚数(21日分を1ヵ月と換算)で決まる。例えば、共済証紙が2520枚(掛金納付年数10年)の場合94万5903円となる。

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