全国オーナー企業分析、7割が後継者不在
   
カテゴリ:経営
作成日:11/30/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 帝国データバンクがこのほど発表した「全国オーナー企業分析調査」結果によると、全国のオーナー企業を業種別にみると、「建設業」が全体の23.5%を占めて全業種で最多、次いで「卸売業」(構成比20.3%)、「サービス業」(同16.5%)となった。調査では、信用調査申告書ファイルと企業データベースを基に、代表者名と筆頭株主が確認できた約56万社から、代表者名と筆頭株主が一致した企業を“オーナー企業”と定義した。

 オーナー率は、「建設業」が85.9%で最も高く、次いで「小売業」(83.5%)、「不動産業」(77.1%)となった。また、年商規模別にみると、「1億~10億円未満」が59.7%を占めて最多。次いで「1億円未満」(構成比28.9%)となり、10億円未満の企業が全体の9割近くを占める。オーナー率は「1億円未満」が87.9%、次いで「1億~10億円未満」が81.2%と、年商規模が小さい企業ほどオーナー率が高い。

 地域別でみると、「関東」が構成比36.0%で最多、次いで、「近畿」(構成比16.4%)、「中部」(同14.4%)と続いた。オーナー率は、「東北」が最大で79.9%でトップ。約8割がオーナー企業であることが分かった。次いで「四国」(79.8%)、「中部」(79.7%)、「中国」(78.2%)と、地方での比率が比較的高いものとなった。「関東」は社数で最多ながらも、オーナー率は75.2%と全国で最少となっている。

 オーナー企業について後継者の有無をみると、全体の71.2%が、現在、後継者未定(未詳も含む)となっていることが分かった。代表者の就任経緯別でみると、オーナー企業のうちオーナーが「創業者」の企業が49.2%。そのうち、後継者が「いない」と回答した企業は73.2%(後継者不在率)となった。「同族継承」は39.3%で、後継者不在率は67.9%と、同族経営の後継者は「いる」比率が高いことが分かった。

 年商規模別にみると、1億円未満のオーナー企業のうち後継者が「いない」と回答した企業は構成比31.5%で、後継者不在率は78.0%、次いで1~10億円未満では同58.4%、後継者不在率69.8%で、小規模のオーナー企業ほど後継者問題を抱えていることがわかる。また、社長の年齢別でみると、事業承継が喫緊の課題となる社長が65歳以上の企業では50.7%が後継者不在であることが判明している。

 同調査結果はこちら