受動喫煙防止対策強化案、飲食店は原則禁煙~厚労省
   
カテゴリ:経営
作成日:03/08/2017
提供元:21C・TFフォーラム
  


 厚生労働省が公表した受動喫煙防止対策の新たな規制強化案によると、議論を呼んだ飲食店は原則禁煙とし、主に酒類を提供する小規模なバー、スナックは例外的に喫煙禁止場所としない。これまで努力義務にとどまっていた受動喫煙対策だが、新たな強化案では義務化し、違反者には罰則も設ける。強化案を踏まえた健康増進法の改正案は、今国会に提出し、平成31年秋に日本で開催されるラグビーワールドカップまでの施行を目指す。

 規制強化案によると、喫煙禁止場所の範囲は、1)医療施設や児童福祉施設、小中高校など主として特に健康上の配慮を要する者が利用する施設は敷地内禁煙とし、2)大学や老人福祉施設、体育館、官公庁施設、バス、タクシー等は屋内・車内禁煙で喫煙専用室設置も不可、3)集会場、飲食店、事務所、鉄道等は屋内・車内禁煙とするが、喫煙専用室(省令で定める技術的基準に適合したもの)の設置は認める。

 ただし、2)の体育館等の運動施設のうち、コンサートなどが行われる興行目的でも利用される場所は3)に分類し、喫煙室の設置を認める。3)では、小規模なバーやスナックなどは受動喫煙が生じる旨の掲示や換気等を義務付けた上で喫煙を認める。小規模とされる店の面積は約30平方メートル以下が有力だが、法案成立後に政令で定める。また、個人の住宅や旅館・ホテルの客室、老人福祉施設の個室などは喫煙禁止場所としない。

 注目される飲食店では、主に酒類を提供するバーやスナック等は例外的に喫煙ができるが、この中には居酒屋を始め食堂やラーメン店など主に主食を提供する飲食店は含まれていない。なお、今回の規制強化案では、経過措置として、制度施行時に既に設置されている喫煙専用室は施行後5年間、排気装置などで一定の基準を満たすものはそのまま使用を認める規定が盛り込まれている。

 新たな規制強化案では受動喫煙対策を義務化するが、義務違反者には罰則を設ける。喫煙禁止場所で喫煙している者は、喫煙の中止等を指導、繰り返し指導してもなお喫煙を続ける等の悪質な場合は喫煙の中止等を命令し、命令に違反する場合には30万円以下の過料を科す。また、義務違反をした事業者に対しては、義務違反是正の指導を始め、勧告、命令など行政指導を受けても違反する場合は、50万円以下の過料を科す。

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