創業100年以上の「老舗企業」は全国で3.3万社
   
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作成日:12/07/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 東京商工リサーチが発表した「全国老舗企業調査」結果によると、2017年に創業100年以上となる老舗企業は、全国で3万3069社あることが分かった。前回調査(2012年8月)より5628社(20.5%)増加した。最古の老舗企業は社寺建築の「(株)金剛組」(大阪府)の578年創業だった。調査は、同社が保有する企業データ約309万社から、創業年が1917年(大正6年)以前の企業を対象に抽出したもの。

 業歴別では、「100年以上200年未満」が3万1136社(構成比94.1%)で最も多かった。以下、「200年以上300年未満」が822社(同2.4%)、「300年以上400年未満」が639社(同1.9%)の順。「100年以上200年未満」 のうち、2017年に「100年」を迎える企業は1118社となっている。また、業歴1000年以上(創業1017年以前)は7社あった。

 宗教法人を除き最も創業が古かった社寺建築の「(株)金剛組」(大阪府)は、飛鳥時代の四天王寺建立にも立ち会い、現在は2006年設立の新会社が旧金剛組から事業を継承している。次いで、華道「池坊」の「一般財団法人池坊華道会」(京都府)の587年創業、武田信玄や徳川家康も訪れたと伝えられる「(有)西山温泉慶雲館」(山梨県)の705年創業、旅館業の「(株)古まん」(兵庫県)の717年創業と続く。

 地区別の老舗企業数は、「関東」が1万23社(構成比30.3%)で最多、以下、「近畿」5970社(同18.0%)、「中部」5110社(同15.4%)と、大都市圏で6割(同63.6%)を占めた。最少は「北海道」の962社(同2.9%)だった。都道府県別では、老舗企業数の最多は「東京都」の3811社(同11.5%)。次いで、「大阪府」2022社(同6.1%)、「愛知県」1783社(同5.3%)の順だった。

 老舗率(企業数に占める老舗企業の割合)では、「北陸」が2.1%でトップ。北陸は眼鏡枠製造の福井県(老舗率2.3%)、加賀藩前田家の城下町として発展した石川県(同2.0%)、薬売りとして有名な富山県(同1.9%)と、各県が全国平均(1.12%)を上回った。次いで、「東北」の1.8%で、温泉のほか鋳物で歴史のある山形県(同3.3%)、林業や関連産業が発展した秋田県(同2.3%)などが牽引した。

 業種別では、「清酒製造業」が850社(構成比2.5%)で最多。酒蔵は、新潟県や京都府、兵庫県にも多いが、清酒製造業で最古は1141年創業の「須藤本家(株)」(茨城県)。  次いで、「貸事務所業」694社(構成比2.098%)、3位は「旅館、ホテル」と「酒小売業」(同2.095%)が693社でランクインした。旅館業では、上記の「西山温泉慶雲館」、「古まん」など、有名な温泉地で飛鳥時代から奈良時代に創業の古湯治場が多い。

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