国内主要112行の貸出残高21兆2760億円増加
   
カテゴリ:金融
作成日:06/30/2015
提供元:21C・TFフォーラム
  


 帝国データバンクがこのほど発表した「国内主要112行の預金・貸出金等実態調査」結果によると、2015年3月末時点の国内主要112行の預金は658兆2324億8800万円となり、2014年3月末比で29兆4381億3300万円(4.68%)増加した。業態別にみると、預金は3業態全てで増加し、大手銀行(19兆9863億2700万円増、6.04%増)の増加が目立った。

 また、2015年3月末時点の国内主要112行の貸出金は481兆537億5300万円となり、2014年3月末比で21兆2760億7800万円(4.63%)増加した。業態別にみると、貸出金は3業態すべてで増加し、預金同様、大手銀行(13兆1641億9600万円増、5.46%増)の増加が目立った。

 2015年3月期の国内主要112行の収支<貸出金利息(収入)-預金利息(支出)の差額=本業利ざや>は、5兆9056億2200万円となり、2014年3月期比で282億6000万円(0.48%)増加した。業態別にみると、大手銀行(3.96%増)が増加した一方、地方銀行(2.65%減)、第二地方銀行(2.92%減)は減少し、利ざや確保の明暗がはっきりと分かれた。

 各種金利の低迷状態が続くなか、アベノミクス効果などに伴う業績改善が上場企業、大企業を中心に波及し、それらの企業と取引する大手銀行が融資、預金を徐々に伸ばす一方、地元大手、中小企業向け融資を中心とする地方銀行、第二地方銀行は、新規融資先の開拓、金利交渉など、資金運用が思い通りに進んでいない現状がうかがえる。地方銀行の利ざや回復は、地方創生がカギとみられている。

 預金、貸出金の推移について、地域別にみると、預金、貸出金ともに9地域全てで増加。預金は「九州」(4.07%増)を筆頭に「中国」(3.85%増)、「中部」(3.71%増)、貸出金は「九州(沖縄)」(5.76%増)、「中国」(5.51%増)の増加が目立った。そうしたなか、「北海道」の貸出金(0.22%増)の伸び率の低さが顕著となっており、同エリアの企業業績などにどのような影響が出るのか、今後、注目される。

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