15年9月期、銀行114行の預貸率は微増の67.98%
   
カテゴリ:金融
作成日:03/09/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 東京商工リサーチが8日に発表した「銀行114行の預貸率調査」結果によると、銀行114行の2015年9月期単独決算ベースの預貸率は、67.98%で前年同期を0.08ポイント上回った。2011年以降の9月期中間決算では、11年68.54%、12年68.35%、13年67.99%、14年67.90%と毎年低下していたが、2015年は歯止めがかかった。預貸率(%)は、貸出金÷(預金+譲渡性預金)×100で算出。

 銀行114行の総預金残高(譲渡性預金を含む)が739兆8429億6200万円(前年同期比4.3%増)だったのに対し、総貸出金残高は502兆9605億2500万円(同4.4%増)で、総貸出金が預金総額の伸びを上回った。これは大手企業を中心としたM&A(合併・買収)の動きや不動産業関連の貸出増加に加え、政府が中小企業向け貸出を促していることなどが背景にある。

 預貸率は低下傾向に歯止めがかかったが、2015年9月期の「預貸ギャップ」(預金+譲渡性預金-貸出金)は、236兆8824億3700万円に膨らみ、預金の貸出金に対する大幅超過の状況に変わりはない。「預貸ギャップ」は、2011年9月期が約195兆円だったが、12年3月期は08年3月期の調査開始以来、初めて200兆円を上回り、その後も年々ギャップは拡大、銀行資金が必ずしも貸出増加に回っていない実態を反映した。

 114行のうち、前年同期より預貸率が上昇したのは71行(構成比62.2%)で、前年同期より8行が増え、全体の6割を占めた。比率の上昇では、トップは仙台銀行の5.18ポイント上昇(53.28→58.41%)。一方、前年同期より預貸率が低下したのは41行(構成比35.9%)、同率が2行。預貸率が低下した銀行は、東邦銀行の前年同期比4.3ポイント低下(55.71→51.35%)がトップだった。

 業態別の預貸率をみると、地銀64行が71.36%(前年同期比0.39ポイント上昇)、第二地銀41行が73.24%(同0.53ポイント上昇)、大手銀行9行が65.11%(同0.11ポイント低下)だった。また、本店所在地の地区別の預貸率は、最高が「九州21行」の75.54%、次いで「近畿11行」が73.21%、「関東(東京を除く)19行」が72.56%、「北陸6行」が72.43%などの順だった。

 同調査結果はこちら