金融機関の貸出スタンス、プロパー貸出重視の傾向
   
カテゴリ:金融
作成日:07/02/2015
提供元:21C・TFフォーラム
  


 日本政策金融公庫が、全国の金融機関を対象に4月に実施した「信用保証に関する金融機関アンケート2015年度上半期調査」結果(有効回答数251金融機関)によると、貸出スタンスについては、2012年度下期以前と比べて、プロパー貸出を重視(「重視」と「やや重視」の合計)するようになったと回答した金融機関は42.3%となっており、信用保証付貸出を重視するようになったと回答した金融機関の9.4%を大幅に上回っている。

 全ての金融機関業態で、信用保証付貸出よりもプロパー貸出を重視する傾向となっているが、信用金庫及び信用組合では他業態に比べて信用保証付貸出を重視するようになったと回答した金融機関の構成比が高い。また、プロパー貸出を重視する理由(複数回答)については、「金利競争の激化」が69.2%で最多、次いで「新規先(他機関の取引先)の開拓」(57.7%)、「保証料の割高感」(31.7%)の順となっている。

 プロパー貸出を重視するようになった貸出先の特徴は、「定性情報(経営手腕、技術力、販売力及び事業将来性等)を再評価した先」が50.0%で最多、次いで「成長分野に該当する先」(44.6%)、「取引歴が浅い先・新規先」(29.3%)と続く。一方で、「担保余力が乏しい先」(5.4%)や「業歴が浅い先」(6.5%)は少数にとどまる。

 今後、積極的に利用を見込んでいる信用保証制度(複数回答)については、「創業関連保証など起業・創業に関する保証制度」が67.2%で最多、次いで「小口零細企業保証など小規模企業向けの保証制度」(46.3%)、「セーフティネット保証制度」(29.5%)と続いている。「プロパー貸出を重視するようになった貸出先の特徴」で回答が少なかった「業歴が浅い先」、「小規模事業者」に関連する保証制度のニーズが高くなっている。

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