3月末で10万件を超えた「遺言代用信託」
   
カテゴリ:金融
作成日:06/12/2015
提供元:21C・TFフォーラム
  


 信託協会が10日に発表した平成27年3月末の信託の受託概況によると、平成26年度の遺言代用信託の新規受託件数が4万1048件あり、平成22年度からの累計で10万4645件と10万件を超えたことが分かった。遺言代用信託とは、委託者が、自分の生存中は自分を受益者とし、死亡後は自分の子・配偶者などを受益者とするといった形で設定する信託のこと。

 例えば、相続が発生したときに、葬儀費用や当面の生活費などの必要な資金を、予め指定された受取人が速やかに受け取ることができるような商品や、長期に亘って、顧客のニーズに合わせた金銭の支払いを行うなどオーダーメイドの財産管理ができる商品がある。信託の財産管理機能を活かし顧客のニーズに合った制度設計ができる遺言代用信託は、平成24年度(1万7926件)以降、25年度(4万5559件)と急激に件数が増加している。

 また、高齢者の資産の蓄積や核家族化の進展により、財産の円滑な承継を行うための有効な手段としての相続関連業務には、遺言書の保管・執行業務と遺産整理業務がある。「遺言書の保管・執行業務」は、財産に関する状況の調査、遺言書の作成、遺言書の保管の引受けを行う。相続開始時には、遺言執行者として財産に関する遺言の内容を実現するための任務(不動産の管理、売却処分や預貯金・株式などの名義変更や換価処分)を行う。

 遺言書の保管件数は増加傾向にあり、平成27年には累計で9万7709件にのぼる。特に近年は、遺言書の保管から執行まで引き受ける形の契約が増えており、9万7709件のうち、「保管のみ」は5877件にすぎず、残りの約94%が「執行付き」の契約だ。「遺産整理業務」は、相続が発生して手続きに悩む相続人や遺族からの依頼により、遺産相続手続きを代行する業務だ。財産目録の作成、遺産分割協議書に基づく遺産分割手続きを行う。

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