笹岡会計事務所
税理士 笹岡 宏保 氏 「土地に建物が建っていなければ借地権はない」と思われていませんか? 実はこれ都市伝説です。「建物なし=借地権なし」は必ずしも正解ではありませんので、実務では十分に気をつけて対応してください。なぜなら、建物がないからといって自用地評価をしてしまうと、貸宅地評価と比べると評価額が高額になってしまいますので、あとで確実にお客さまとトラブルになります。最近では訴訟を起こす方も増えておりますのでこの手のミスは致命的です。 今回、笹岡先生に解説いただくのは、この「借地権」を巡り争われた裁決事例です。 平成26年5月に「贈与財産である宅地について、借地権の存する土地として評価するのが相当とした事例」として、重要な裁決が出ました。この裁決は課税庁側が負けた事例ですが、公表裁決となっています。つまり知っておく必要があるということです。 この裁決のポイントは、旧借地法の解釈を巡り課税庁と納税者が争いましたが、なんと課税庁側が旧借地法の解釈を間違え、更正処分が取り消しになる事案です。しかし、冒頭に記しましたが、「土地に建物がないから借地権はない」と思っている方は、課税庁と同じように間違えてしまいます。 同じような間違いを防ぐには、旧借地権を確認し、そしてその条文に出てくる「滅失」と「朽廃」の違いを知ることです。 笹岡先生いわく「資産税をする先生には必須の知識」とのこと。借地権は非常に実務では悩ましいものの一つですが、60分かけて笹岡先生が分かりやすく、理論的に解説してくださいましたので、ぜひご確認ください。苦手な方が多い借地権ですが、きっと「なるほど」と納得いただけます。
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