税理士法人North Brain
代表社員・税理士 前島 治基 氏 取引相場のない株式の評価方法の一つである、純資産価額方式。相続税申告の場面でこの評価方式を用いる場合は、財産評価基本通達に基づいて 粛々と資産・負債の評価をすればいいかと思えば、そうでもありません。実際に何度か実務を経験している方はご存じかと思われますが、通達等に書かれていないところで悩んでしまう点が出てくることが多くあります。 例えば通達では、資産の時価判定について「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌…」と書かれていますが、売買の実例や精通者の意見は、客観性を保つために何としても複数集めなければならないのか、それとも、複数集めるのが望ましいものの1件しか集まらなければそれでもいい、という程度のものなのか。他にも、評価の対象となっている株式の発行会社が粉飾決算をしていたことが判明した場合、どのように対処すべきなのか等、迷ってしまう点はいくつもあります。 また、実務でぶつかって迷ってしまう点だけではなく、気付かずに誤りが生じてしまう点もあり得ます。自然発生している借地権や、未収保険金、その他の生命保険に関する権利など、貸借対照表を眺めているだけでは見えてこない資産や負債もあり、それらも漏らさずに評価に加える必要があります。 これらのような、純資産価額方式の評価で実務で迷ったり、誤りが生じてしまいかねない論点について、資産の部・負債の部の項目ごとに、前島先生が実際にどう対処しているかをお話しいただきました。数多くの相続案件をこなす事務所の、グレーゾーンへの対応法が分かります。
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