古田土式新規開拓講座
一覧はこちら

第67回 評価制度を作る前に作るもの

 みなさんも中小企業経営者からこんな相談を受けたことないでしょうか?「社員のモチベーション高めるために、何かアドバイスもらえませんか?」

 みなさんだったら、何てアドバイスされます?

 ちなみに、良くある回答として、「評価制度の作成を勧める」です(給与制度も含める)。

 これは、完全に間違っています。評価制度では、人は変わりません。

 古田土満が尊敬している法政大学の坂元光司教授は、こうおっしゃいます。

 社員のモチベーションが高い企業と低い企業とを3年間比較研究したことがある。

 そこで、分かったことは、人事制度や給与制度はほとんどモチベーションに影響を与えない。

 結論はリーダーの人格。

 経営者や上司への信頼が薄れたときにもっともモチベーションが低下する事が 判明した。

 どんな制度を作るかではなく、どんなリーダーがいるかが大事であって経営者が自分自身を変えず自分以外のものをいくら変えても会社はよくなりません。

 リーダー自身なのです。

 でも、これだけだと何していいか分からないでしょうから、古田土会計の代表である古田土満を例にあげて説明します。

・公私混同しないために試算表・元帳・役員報酬まで社員に公開する。
社員に強いているルールを自分が率先して取り組む(例)駅前清掃、元気な朝礼に参加する。
社長室を作らずに、会社の入り口すぐの場所に机を置きそこで仕事をする。そして、来客された方に対して誰よりも元気で丁寧なあいさつをする。
誰よりも朝早く出勤する(だいたい6時40分)。
1,000社以上の顧客数を持つ会計事務所であるにも関わらず、誰よりも担当件数を持っている。
・1,900社のお客様の申告書の全てに自ら署名・押印する。
・土日も仕事をしている(自称、趣味仕事)。
・お客様に喜んでいただくことに対して、誰よりも情熱を傾ける。

などなど。

 どうです? できます?

 トップがこれだけの事やっているんですから、社員は手を抜きません。というか、抜けません。というか、尊敬の域に達しています。

 評価制度は、これだけのことやれば活きてくるのです。評価制度の前に、トップ自らの姿勢を正すのが正しいあり方なのです。でも、現実的には、人は弱いのでなかなかできません。

 だからこそ、経営計画書に書き記し、社員の前で声高らかに宣言するのが良いのです。

 答えは、「評価制度の前に、経営計画書作れ!」でした。