第99回 経営分析値の推移を見る

 決算書から分析した6要素診断も、3ヶ年くらい一覧表にして傾向を見ると、どの分野に強みがあり、弱みがあるかが、わかってきます。そしてどの分野が最近良くなってきているかとか、悪くなっているのかが、見えてくるのです。

 単年度の決算分析では、その項目の良い・悪いは絶対的な診断といって良いでしょう。しかし、3ヶ年の分析の診断をみると自社の相対的に良い項目と悪い項目が解かり、経営改善に繋がるヒントになるのです。

 生産性を例に取ってみてみると・・・

生産性

 こんな時、単年度であれば、「一人当り付加価値」はランク4ですので、低くて問題となります。

 しかし、傾向で見たらどうでしょう。「一人当り付加価値」はランク2からランク4と判定が上がっていますから、改善されていて、改善の視点で言えば、良い項目とも言えるでしょう。

 次に、「経営安全率」を見てみましょう。

安定性

 今回は、ランク5ですから、やや低い項目です。しかし、前々回のランク7と比べたら、2ランク下がっていて問題になりかけているのではないでしょうか?このような見方も是非してみて下さい。

 改善されている項目は、良い項目だとプラスに考えたら良いのです。そして、良い項目でも悪くなってきているようでしたら、今、歯止めをかけないと、とんでも無いことになるかも知れません。このような傾向を知るためには、分析値を3ヶ年分くらい並べて見ると良いのです。





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