第86回 決算の数値傾向(2)

 固定費は増えないことが良く、そして売上の増加率より付加価値の増加率が大きいと言うことは、付加価値率が改善されていると言うことです。つまり、付加価値率が良くなり、売上高も大きくなっていれば、理想的な増収増益の状態になっています。


(2)付加価値と固定費の傾向を見よう

 次に、付加価値と固定費を見ましょう。

 例えば、(株)ABC商店の3ヶ年の傾向は、次の通りです。



 付加価値は、0.6%減少しています。

 そして、固定費は4つに分けて見ると、次の通りです。

 i  人件費  2.6%減少    ii  減価償却費  5.7%減少  
 iii  金利  2.0%増加    iv  その他  8.8%増加   となります。

 まず、ここで大切なことは、固定費の増加率を、この4つに分けて傾向を知ることで、固定費削減のヒントが出てきます。

 次に、損益分岐点売上高に注目します。

 固定費と付加価値を比べる上で欠かせないものが、損益分岐点売上高の伸長傾向です。特に、赤字の場合は、損益分岐点売上高を下降させる必要が出てきます。

 損益分岐点売上高の余裕度をしっかりと測っておきましょう。余裕度が毎年上昇しているとすれば、良い傾向であり、思い切った経営戦略の実践を勇気をもって出来る状態です。「善循環」のサイクルに入っています。


 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかがでしょうか。





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