第85回 決算の数値傾向(1)

 決算書の損益計算書と貸借対照表の二表は、少なくても前3ヶ年分の比較をしたいものです。なぜかと言いますと、現在置かれている会社の現状は「過去の実績」の上にあるもので、この「過去の実績」は現状を創りだした重要な原因そのものであるからです。ですから、決算書の3ヶ年の推移表を作成し、その傾向をご覧になり、過去の状況を良く理解した上で現状の課題を明確にして、未来に向けた改善手法を検討したら良いのです。


(1)損益の傾向を見よう。

 損益計算書を3ヶ年分比較するポイントとして、売上高・付加価値・固定費の3種類の伸長傾向を見ましょう。

 この3種類の関係を見ると大事な数字が見えて来るのです。



 この場合の増加傾向を見ると、

 固定費>付加価値>売上高 となっています。

 これは、「固定費負担に見合う付加価値が得られず、減益となっている。しかし、付加価値率は上昇傾向にある。」という事です。

 利益が少なくなっている要因は、固定費の伸びが付加価値より大きい状態だからと言うことです。固定費の伸びより付加価値の伸びを増加させる対策が必要なことがわかります。

 理想的な増加傾向は、付加価値>売上高>固定費 という状態です。

 固定費は増えないことが良く、そして売上の増加率より付加価値の増加率が大きいと言うことは、付加価値率が改善されていると言うことです。つまり、付加価値率が良くなり、売上高も大きくなっていれば、理想的な増収増益の状態になっています。


 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかがでしょうか。





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