第84回 自己資本比率を高める方法

 自己資本比率を高めることは、経営者の重要な仕事の一つです。他人資本(負債)がゼロで自己資本(資本)が100%だったらどんなに資金繰りが楽かを想像して見て下さい。これは、楽ですよね。なぜなら、返済する金、支払う金がゼロですから、こんな理想はありません。

 この自己資本比率を高める方法は二つです。

(1)資本の増資をすること。
(2) 利益を出して、会社に留保(配当金などで会社からお金を出すことをしない)すること。

 経営者の中には、資本を充実しながら会社を成長させようというタイプと、儲けた利益は、とにかく分配して、会社の成長は全て借入金で、お金を調達していくタイプです。このタイプの違いの代表的な例は、「税金を払うことは、必要なことだ」と考えるか、「税金なんて払うものではない」と考えるかです。なぜここに、このような「納税意識」なんてものが出てくるか不思議な方がいるかもしれませんが、考えてみれば簡単です。

 自己資本を増資以外で増やすためには、利益を出して会社に留保することしかありません。この利益を出して会社に留保するためには、「税引き前利益」から法人税を納税して、残った「税引き後の利益」が会社に内部留保される金額なのです。もし、「納税したくない」「利益があったら、何かに使ってしまおう」と考えて、利益を少なくし、納税を少なくする事は、内部留保を少なくし、自己資本は増えないという公式に当てはまります。節税は必要ですが、納税して自己資本を充実することも重要なのです。



 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかがでしょうか。





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