■健 全 性
(3)固定長期適合率 設備投資のために調達される資金が、なるべく返済を急かされないものであればいい、とするならば、自己資本だけでなく、長期的に安定した負債であれば支障ないという考え方が成り立ちます。日本の企業の多くは過小資本であることを考慮すると、固定比率よりも固定長期適合率のほうが、指標として活用しやすい面もあります。 固定比率が200%や300%以上であっても、固定長期適合率が100%以下であれば、問題ないとされています。「固定長期適合率が100%以下」とは、「流動比率が100%以上」であることの裏返しです。営業運転資金や経常利益の余り(例えば売上債権などを回収した資金の一部)で、長期借入金などの固定負債を少しずつ返済するのが、資金の流れとしては理想の姿です。 固定長期適合率を改善するためには、固定資産を少なくし、固定負債と自己資本を増加させることです。しかし、これらは一律に減少、または増加させられるものではありません。企業成長のためには設備投資は不可欠です。したがってどうしても増加したり、減少したりするのです。これに対し、自己資本は一本調子で増加させることが望まれます。 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかがでしょうか。
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