■健 全 性
(2)固定比率 固定資産は10年、20年といった長期にわたって運用されるものですから、そのために調達される資金も、早期に返済しなくても良いものであることが望まれます。自己資本はその点、うってつけの資金です。このため、固定比率は、100%以下であることが理想であって、この比率が低いほど、資金のバランスが安定していることになります。 しかし、中小企業の多くはオーナー色が強く、同族関係者以外の出資を拒むため、固定資産の増加に比べて、自己資本の充実がないがしろにされる傾向にあります。また、ベンチャー企業のように成長のスピードが急速だと、自己資本の増強が追いつかない場合もあります。 固定比率が低い企業の中には、設備をリースで行なっているところもあります。貸借対照表上では、固定資産の額が下がりますので、見かけはよい評価になります。しかし、リースが多いと損益計算書上の固定費が上がり、収益を圧迫するだけでなく、目に見えない金利負担(リース料に含まれている)を課せられることになります。 したがって、固定資産に関わる設備投資は、中長期的な視点に立って、どのような設備投資を行ない、どうやって資金調達を行なうか、さらにはキャッシュフローを安定させていくことが大切です。 利益を出して自己資本を増強するか、増資をして自己資本を増やすことは重要なことです。 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかがでしょうか。
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