第42回 経営分析解説―成長性(2)

 経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。

 前回、【成長性】は、どのようなものなのか解説し、(1)売上高増加率、(2)付加価値増加率 の解説してまいりました。引き続き【成長性】の分析項目を解説していきます。


【 成長性 】

 会社の財政状態の良否、支払能力の程度を判断する要素です。それは、会社を継続的に運営していくために必要な資金の出所・使われ方は適正か、必要な資金をいつでも用意できる状況にあるかどうかということを捉えようというものです。


決算診断提案書における成長性の分析指標

(3)営業利益増加率(本業成果の伸び)

  当期営業利益実績−前期営業利益実績  × 100 (%)
前期営業利益実績

で計算します。

理解するためのポイント
 前期と比べて当期の営業利益がどれだけのパーセンテージで伸びているかを示している。この値が高いほど、営業利益の増加率が高い。

この分析項目の水準を高めるためのポイント
・売上増や付加価値率の向上により付加価値高を高める。


(4)経常利益増加率(経営成果の伸び)

  当期経常利益実績−前期経常利益実績  × 100 (%)
前期経常利益実績

で計算します。

理解するためのポイント
 前期と比べて当期の経常利益がどれだけのパーセンテージで伸びているかを示している。この値が高いほど、経常利益の増加率が高い。

この分析項目の水準を高めるためのポイント
・売上増や付加価値率の向上により付加価値高を高める。
・付加価値に対する営業経費率を下げる。
・付加価値に対する営業外の経費率を下げる。


(5)自己資本増加率(自己資本力の強化度)

  当期自己資本実績−前期自己資本実績  × 100 (%)
前期自己資本実績

で計算します。

理解するためのポイント
 前期と比べて当期の自己資本がどれだけのパーセンテージで伸びているかを示している。この値が高いほど、自己資本の増加率が高い。

この分析項目の水準を高めるためのポイント
・税引き後の利益を少しでも多く出すこと。
利益が出た場合でも、出来るだけ株主への配当や役員賞与支給などの外部流出を行わない。
・増資により自己資本を増やす。


 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかかでしょうか。





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