第33回 経営分析解説―生産性(1)

 経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。


【 生産性 】

 生産性は大きく「労働生産性」と「設備生産性」とわけることができる。「労働生産性」が一人当りどれだけの売上や利益をもたらしているのかを見る尺度になっているのに対し、「設備生産性」は設備一単位当りどれだけの売上や利益 をもたらしているのかを見る尺度になっています。


(1) 一人当り付加価値 (万円)
従事員一人当りの付加価値を稼ぎ出す力を示します。

付加価値
従事員数

(2) 一人当り営業利益 (万円)
従事員一人当りの本業活動により得られる成果を示します。

営業利益
従事員数

(3) 一人当り経常利益 (万円)
従事員一人当りの事業活動全体により得られる成果を示します。

経常利益
従事員数

(4) 平均従業員給与 (万円)
給与水準の高さを示します。

人件費(月額)
従業員数

(5) 固定資産投資効率 (%)
設備がどの程度効率よく稼いでいるかを示します。

付加価値  × 100
固定資産


決算診断提案書における収益性の分析指標

(1)一人当り付加価値(投下資本の利益貢献度)

  付加価値  (万円)
従事員数

で計算します。

理解するためのポイント
 従業員一人当たりが、付加価値をどの程度上げているかを示す指標であり、高ければ高いほど企業の価値創造力は高く、不況に対する抵抗力があります。

この分析項目の水準を高めるためのポイント
・売上を伸ばすとともに、商品力を高め付加価値率を高める。
・機械化・IT化を進める。適正な人員構成にする。
・適正人員、少数精鋭、適材適所、人材育成、パート・アルバイトの戦力化。


(2)一人当り営業利益(一人当り本業活動成果)

  営業利益  (万円)
従事員数

で計算します。

理解するためのポイント
 営業利益を、社員(役員含む)一人当たりが実質どれくらい稼ぎ出しているかを示す指標であります。この金額が高いほど営業利益への一人当たりの貢献度が高いことになります。

この分析項目の水準を高めるためのポイント
・営業利益を増やす。
・適正人員、少数精鋭、適材適所、人材育成、パート・アルバイトの戦力化。
・目標管理を徹底する。


 是非、この機会に決算診断をしてみては、いかかでしょうか。





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