第25回 「攻め」と「守り」からみた会社の位置を把握する

 経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。
 是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。


 前回、“経営体力を10段階で評価する”ということで、説明しました。

 経営体力がわかったら、次に自社の「攻め」と「守り」を評価します。
 会社経営は戦いです。会社は順調な発展時もあれば、停滞する時、更には経営危機を乗り切るための変革時など、これらの循環の中で活動を続けています。戦いに勝利するには、「攻撃力」「守備力」ともに必要不可欠であり、6要素診断結果から、自社の「攻撃力」「守備力」もつかむことができます。

 6要素とは、
 【収益性】 ・・・ 経営活動で本当に儲かっているか
 【生産性】 ・・・ 能率よく成果が上がっているか
 【資金性】 ・・・ 投資資本の回収は効率よく行われているか
 【安定性】 ・・・ バランスよく経営がなされているか
 【健全性】 ・・・ 資金の調達・運用形態は良好か
 【成長性】 ・・・ 業績は順調に伸びているか


 ここでは、少し視点を変えて、自社の「攻め」と「守り」を評価します。
 会社にとって、攻める力は「収益力」守る力は「資金力」と言い換えることができます。
 では「攻め」と「守り」を評価してみましょう。

 「攻め」は、6つの要素のうちの【収益性】、【生産性】、【成長性】で評価します。
 「攻め」といっても、6要素にはそれぞれウエイトがありますので、
 (1) 収益性 ・・・ 40%
 (2) 生産性 ・・・ 40%
 (3) 成長性 ・・・ 20%
の合計100%のウエイトで計算します。
 (1)、(2)、(3)のウエイトの合計が「攻め」の点数です。

 同じように「守り」は、
 (4) 安定性 ・・・ 50%
 (5) 健全性 ・・・ 30%
 (6) 資金性 ・・・ 20%
のウエイトで計算をします。
 (4)、(5)、(6)のウエイトの合計が「守り」の点数です。

 この「攻め」と「守り」の点数づけが終了したら、攻めと守りのマトリックスに自社の位置をポイントしてみます。


「攻める力」「守る力」から見た御社の評価

 「攻める力」は、次の要素から評価しています。
  収益性 ・・・ 40% 100%   前回   今回
  生産性 ・・・ 40%   52点   46点
  成長性 ・・・ 20%        

 「守る力」は、次の要素から評価しています。
  安定性 ・・・ 50% 100%   前回   今回
  健全性 ・・・ 30%   61点   55点
  資金性 ・・・ 20%        



  決算診断提案書  (7)



「攻める力」「守る力」から見た御社のタイプ

(御社のタイプ)  A:優良型
 B:攻め充実型
 C:守り充実型
 D:バランス中庸型
 E:攻め充実・守りこれから型
 F:守り充実・攻めこれから型
 G:守りこれから型
 H:攻めこれから型
 I:問題児型
 

御社の位置
御社のタイプと評価
バランス中庸型
「攻める力」「守る力」どちらも平均的な水準にあります。また、前回と較べると「守る力」の評価が下がっており、この点からの問題が出て来ているものと考えられます。

  決算診断提案書  (8)


 これで、現在の経営課題が浮かびあがってくるはずです。
 あなたの会社はどうでしょうか?この機会に決算診断をやってみてはいかがでしょうか?





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