第24回 経営体力を10段階で評価する

 経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。
 是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。


 前回、“決算のバランスを見る”ということで、説明しました。

 さて、いよいよ自社の総合評価と格付けになります。
 大事なことは、
 「わが社の体力はどうか」
 「今、どんな課題があるか」
 「今期の経営に向けて、どのような努力をすればよいのか」
 を明確にすることです。


 そのために「数字に基づく経営」を行うことが重要です。
「数字に基づく経営」を行うためには、自社の経営体力を採点して「総合評価」し、10段階の自己各付けを実施する必要があります。
 そのうえでリスク分析を行い、自社が青信号か、黄信号か、赤信号か、それとも危険な状態なのかを明確に自覚します。

 この自覚を得たうえで、会社の数字の傾向を調べ、今後の方向性を数字によって明らかにしなければなりません。

 「攻め」と「守り」の点数付けが終わったら総合得点を算出します。
 算出の仕方は簡単です。
 ここまで、【収益性】【生産性】【資金性】【安定性】【健全性】【成長性】の6要素についてランキングするために、それぞれ5つずつの経営指標を算出し採点してきました。
 合計すると、30の自社の経営指標の点数が手元にあることになります。
 総合得点は、この30の点数をすべて合計し、それを30で割ればいいのです。

 30の指標には、もちろん若干の軽重はあります。
 しかし30もの点数を合算することで、すべてが取り込まれた形になり、自社の過去と比較したり他社との比較したりする場合には有効になります。
 会社の「実力」を正しく示す数字が得られるのです。

 この点数を「経営体力10段階評価表」に当てはめ、自社がどの企業の「型」なのかを確認します。「健康優良型」「体力充実型」は青信号、「体力維持型」は黄信号、「体質改善型」は赤信号の状態です。「体力変革型」は、もはや非常に危険な状態です。
(数字はサンプルになります)


総 合 評 価

 この「決算診断提案書」では、企業を人間の身体に見立てて、御社の経営体力を診断し、今期検討すべき重点課題が提案されております。


  前回   今回
総合得点 52点 傾向 48点
 
ランク 体力維持型B   体質改善型A

御社の経営体力ランクは、 体質改善型A です。

 このランクは、財務的に見た場合、標準より少し低いことを意味しており、少なからず問題があります。具体的な問題点についてはタイプ別、要素別、分析項目別に分けて後述しております。これらを踏まえた上で、体質改善に取り組まれれば、改善の第一歩である標準的な水準にまで引き上げることが可能であると考えます。

 ランクが下がり、少し問題がある水準に位置するようになって来ました。後述するタイプ別、要素別、分析項目別に見てもいくつかの問題点が出て来ているものと考えられます。これらの因果関係を明確にした上で、以前又はそれ以上のランクを目指して改革に取り組んでいただきたいと思います。


  決算診断提案書  (1)



経営体力10段階評価 社長に「元気を出す」メッセージ

経営体力タイプ 得点範囲 経 営 志 向 イメージ
健康優良型 90点以上  (夢戦略実践型)
(1)自社の夢・目標を実現
(2)常に感謝の心をもつ
80〜89点  (戦略・可能思考型)
(1)可能性を実行・実現
(2)いつも笑顔で貢献する
体力充実型 70〜79点  (積極的挑戦型)
(1)相手を良くして喜ばれる
(2)自社も成功する
60〜69点  (長所伸長型)
(1)常に前向きである
(2)相手をほめ、長所を見る
体力維持型 55〜59点  (プラス発想型)
(1)実現できることを信じる
(2)絶えず目標をもつ
50〜54点  (成功可能型)
(1)勇気をもって踏み出す
(2)絶えず能力を高める
体質改善型 40〜49点  (改革旺盛型)
(1)経営環境の変化に耐える
(2)絶えず工夫をする
30〜39点  (体質改善型)
(1)可能性を信じる
(2)プラスの環境をつくる
体力変革型 20〜29点  (自社変革型)
(1)前進していく
(2)マイナスを考えない
19点以下  (苦難観の革新型)
(1)障害を乗り越える
(2)マイナスを見ない

  決算診断提案書  (2)


 あなたの会社はどうでしょうか?この機会に決算診断をやってみてはいかがでしょうか?





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「決算診断」プロス
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