経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。 是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。 前回、“各ポイントの得点をランキングし、6つの要素ごとに各ポイントの平均点を出す”ということで、説明しました。 会社というものは、順調な発展時と、その後にくる経営危機を乗り切るための変革時があります。この2つの過程を繰り返しながら、成長していきます。 期末になって本決算を行う時期には、経営者はその1年を振り返って、いろいろな感慨を抱くことでしょう。しかし会社は、永続すべきものですから、決算の数字が出そろったら、経営者はさっそく、その数字がもっている経営課題を分析し、今後の方向性を決めていかなければなりません。 6要素それぞれについて自社を採点し、総合評価を行い、10段階に格付けするわけです。 【収益性】【生産性】【資金生】【安定性】【健全性】【成長性】の6要素のランクを出したら、その結果をまずはよくみてみることが重要になってきます。 6要素がどのように向上したか、あるいは下がったかを調べて下さい。 6要素とは、次のとおりです。 【収益性】 ・・・ 経営活動で本当に儲かっているか 【生産性】 ・・・ 能率よく成果が上がっているか 【資金性】 ・・・ 投資資本の回収は効率よく行われているか 【安定性】 ・・・ バランスよく経営がなされているか 【健全性】 ・・・ 資金の調達・運用形態は良好か 【成長性】 ・・・ 業績は順調に伸びているか (数字はサンプルになります)
また、棒グラフの高さが高いかどうかも重要です。高さに波がなく、各々を線でつないだ場合に平行線になるのがバランスのよい形式といえるでしょう。 なおかつ、高さがあるほどいいでしょう。 もちろん、6つの要素が全て10点の位置ならベスト、理想的な状態です。 このようなグラフでランク5のところに線を引いておくのも1つの手法です。 あなたの会社の高さが「ランク5」の業界平均の位置より高ければ、平均以上ということなので「合格」といえます。 ただし、高さが全体で高くても、何かの要素が平均より大きく落ち込んで、線で結んだら大きく浮き沈みになってしまっているような場合は、経営のバランスがとれていないということですから気をつけなければなりません。
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