経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。 是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。 ●基本となるのは経営の「6要素診断」 会社というものは、順調な発展時と、その後にくる経営危機を乗り切るための変革時があります。この2つの過程を繰り返しながら、成長していきます。 期末になって本決算を行う時期には、経営者はその1年を振り返って、いろいろな感慨を抱くことでしょう。しかし会社は、永続すべきものですから、決算の数字が出そろったら、経営者はさっそく、その数字がもっている経営課題を分析し、今後の方向性を決めていかなければなりません。 大事なことは、 「わが社の体力はどうか」 「今、どんな課題があるか」 「今期の経営に向けて、どのような努力をすればよいのか」 を明確にすることです。 そのために「数字に基づく経営」を行うことが重要です。 「数字に基づく経営」を行うためには、自社の経営体力を採点して「総合評価」し、10段階の自己各付けを実施する必要があります。 そのうえでリスク分析を行い、自社が青信号か、黄信号か、赤信号か、それとも危険な状態なのかを明確に自覚します。 この自覚を得たうえで、会社の数字の傾向を調べ、今後の方向性を数字によって明らかにしなければなりません。 そのために行うのが、経営の「6要素診断」です。 その6要素は、次のとおりです。 【収益性】 ・・・ 経営活動で本当に儲かっているか 【生産性】 ・・・ 能率よく成果が上がっているか 【資金性】 ・・・ 投資資本の回収は効率よく行われているか 【安定性】 ・・・ バランスよく経営がなされているか 【健全性】 ・・・ 資金の調達・運用形態は良好か 【成長性】 ・・・ 業績は順調に伸びているか (数字はサンプルになります) 6要素それぞれについて自社を採点し、総合評価を行い、10段階に各付けするわけです。 次回からは、その手順を段階を追って説明していきます。
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