引き続き、経営者にとって「決算書」の見方のポイントを更に分り易く、解説していきます。 是非、この機会に「決算書」が経営者にとって身近なものにしていただきたいと思います。 今回は、貸借対照表についてです。 ●貸借対照表は「調達の仕方」と「使い道」の状態 損益計算書は会社のその期の成績表でしたが、貸借対照表は、会社の決算時点の財政状態を表したものです。 貸借対照表は大きく「資産の部」「負債の部」「資本の部」に分かれ、左側に「資産の部」が、右側に「負債の部」と「資本の部」がある形になっています。 そして右側(負債の部と資本の部)を貸方、左側(資産の部)を借方といいます。 右側の貸方は資金の調達方法を示し、左側の借方は資金の使途(使い道)を示しています。 つまり、右側の負債や資本(資本金と利益)によって資金を調達し、調達した資金を使って売掛金や製品、建物などの資産を得ていると考えればいいでしょう。 使った資金の分だけ資産が増えることになりますから、左側の「資産合計」と、右側の「負債及び資本合計」は必ず同じ数字になります。 ●「資産」と「負債」の中身 「資産の部」は流動資産と固定資産に、「負債の部」は流動負債と固定負債に分かれます。 流動資産というのは「一年以内に現金化される資産」であり、固定資産というのは「一年以上使い続けなければ現金を生み出さない資産」のことです。 また、流動負債は「支払手形、買掛金、短期借入金など、支払期限が一年以内の債務」のことであり、固定負債は「長期借入金などの支払期限が一年を超える債務」のことです。 要するに現金化や支払の時期によって「流動」と「固定」に分けているわけですが、流動資産はさらに
また「資本の部」は「自己資本」ともいわれ、資本金と利益の留保額によって構成されています。 資本の部以外(流動負債と固定負債)は他人資本ともいわれ、金融機関などからの借入れと考えられます。借入れはいずれ返さなければならない資金ですので、安心した強い企業をつくるためには、自己資本を強化することが重要です。
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