第115回 期中決算を経営に活かそう

 毎年、1月2日になると大学駅伝が東京日本橋をスタートします。往路は日本橋から箱根芦ノ湖までですよね。そして、3日には復路として箱根から日本橋まで帰ってきます。選手は、優勝を目標にして毎日練習を重ねます。そして、監督は、この日を迎えて勝てる作戦を考えて、走る順番を決めレースに望みます。チームによっては、目標を10位以内において来年のシード権を狙うチームもあるようです。チームの監督は会社の社長と同じですよね。チームの現状を把握し、目標を作り、その目標の通りゴールできる作戦を実行する。その実行は、選手はもちろん、マネージャーやコーチが一丸となって進めていきます。

 この話は、会社の「期中決算」がいかに大切かという事をお伝えしたかったのですが、いかがですか?

 監督・コーチ・選手・マネージャー達は、大学駅伝の中間地点である、箱根芦ノ湖までの往路の結果で、明日の作戦を宿舎で再検討することでしょう。時間はあまりありません。方法も限られていることでしょう。それでも、前半の往路の結果をしっかり把握して、つぎの復路をどう戦うかを決めることは、目標必達のために手を抜くことができない重要なプロセスのひとつです。もしかすると、優勝の目標を6位入賞に変えることや、10位のシード権ねらいを6位入賞に変えることもあるかも知れません。

 企業はまさにゴーイングコンサーン(継続企業)です。今年も入賞し、来年も入賞したいと利益を出すことが大切です。常に立てた目標を実行し、そして常にチェックするという「P−D−C−A」のサイクルを行なっているのです。

 期中決算でやるべきことにはどんなものがあるでしょうか?

  1)現状を把握します。良かった点は何か?悪かった点は何か?
  2)期中での目標達成率はどうであったか?その理由は?
  3)残期間の目標は出来るのかどうか?どうやったら出来るのか?
    年間目標を上方修正や下方修正する必要はないのか?
  4)最終的な目標達成するために実行すべき戦術を明確にできたか?


 なかには、「毎月月次決算をやっているので、『期中決算』をわざわざしなくても大丈夫」と考えることがあります。この大丈夫は、「現状を把握し、その都度改善策を考えている」という点では、期中決算をしなくても大丈夫ということでしょう。「月次決算」の重要性は、まさしく現状把握をして改善するためにあるからです。





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