目標とする売上高を考える為には、必要な目標売上高を知っておくことが望まれます。 重要な目標売上高には、三種類あります。それは次の通りです。 1 経営者自身が、目標とする経常利益を達成するための目標売上高 2.赤字を出さないための目標売上高(損益分岐点売上高) 3.資金不足を出さないための目標売上高(収支分岐点売上高) これら三つの必要売上高を踏まえた上で、来期の目標・計画を立案するととても良いのです。 来期の目標・計画は、経営者の経営上の夢の実現ですが、その夢を描くのには、この三つの目標売上高の情報をモトに作成すると、より価値のある目標・計画になるのです。 そこで、この三つの必要売上高についてどのように検討したらよいかを考えてみましょう。 1.経営者自身が、目標とする経常利益を達成するための売上高 A.目標経常利益( 100)万円の場合 この必要売上高を計算する公式は、以下の通りです。 (固定費+目標利益)÷付加価値率=目標利益の必要売上高 です。 例えば、固定費が8,000万円 目標利益が2,000万円 付加価値率40%の会社があったとしましょう。この時の必要売上高は? (8,000万円+2,000万円)÷40%=25,000万円となります。 ここで問題です。この目標売上高を小さくするには、どうしたら良いでしょう。 答えは三つ。 (1)固定費を小さくする 1,000万円小さく出来れば、2,500万円(=1,000万円÷40%)の売上高が不要となり、目標売上高は22,500万円となります。 (2)目標利益を小さくする 固定費と同じように1,000万円目標利益を引下げれば、目標売上高の答えは、同じ22,500万円となります。 (3)付加価値率を上げる 付加価値率を10%引き上げ、50%としたらどうなるでしょう。公式に当てはめると必要売上高は、20,000万円となり、5,000万円の売上高が不要となります。 利益の目標を持ち、目標売上高を計算し、金額を掴むことは大変重要です。なぜなら、この必要な売上に向かった経営戦略を練ることが重要だからです。しかし、ここで問題になるケースがあるのです。というのは、経営者が、「この目標売上高は、とても出来ない。」と考えたケースです。この時、せめて赤字にならない売上高、つまり、目標経常利益がゼロの場合はいくらだろうと考えることも必要になります。
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