第11回 年末年始に現金を残すための
キャッシュフロー改善ポイント(2)

 年末年始に向けては、年末商戦の在庫の積み増しや販促費の増加など何かと資金が必要になる時期です。
 前回に引き続き、年末年始に向けて資金不足にならないためのキャッシュフロー改善ポイントを紹介していきます。



改善のポイント

(1)については、第10回を参照して下さい。


(2) 資産の見直し

 棚卸資産・売掛金・貸付金など、現金以外の資産をゼロに近づけることが必要です。
 次の3つを検討し、チェックして下さい。

検討 4: 棚卸資産の削減   できる □   できない □
  <ムダな在庫はないか?>

検討 5: 売掛金・受取手形など売上債権の削減   できる □   できない □
  <不良債権はないか?現金回収はできないか?>

検討 6: 貸付金などの削減   できる □   できない □
  <回収できないか?不必要なものはないか?>


(3) 負債の見直し

 前受金を増やすことが必要です。負債科目の中で唯一の将来売上高に変わる項目です。
 このためには、信用の充実が必要となるでしょう。検討し、チェックして下さい。

検討 7: 前受金の増加   できる □   できない □
  <必ず納品するという信用の増強、特命の受注>


(4)  資本の増資・役員借入金・長期借入金・未払金・買掛金・支払手形で資金調達をする

 将来返済しなくてもよい資金から調達する。一番良いのは、資本の増資。支払手形での調達は、最終手段です。次の4つを検討し、チェックして下さい。

検討 8: 資本の増資   できる □   できない □
  <役員を中心に増資を図る。役員報酬の一部を増資資金に>

検討 9: 役員借入金の増加   できる □   できない □
  <役員報酬の一部は、会社の運転資金になる預かり金という考え方>

検討10: 長期借入金の増加   できる □   できない □
  <短期借入金より長期借入金を優先し、比較的安定した資金の調達>

検討11: 未払金・買掛金の増加   できる □   できない □
  <金利のつかない負債だが、コスト増になるかもしれないので要注意>

※支払手形は増加させない。ゼロとすることが基本になります。厳しいですが・・・


(5) 投資は最小限の資金で行っているか?

 本当に必要な投資であるかどうか。次の3つを検討し、チェックして下さい。

 検討12: 不必要な設備投資の削除   できる □   できない □
  <本当に必要な設備投資か?必要な設備は安く、中古でも>

 検討13: 不要な設備(遊休資産)の売却   できる □   できない □
  <資産の売却で資金を作ったり、売却でランニングコスト削減も>

 検討14: 固定性預金の積立、有価証券等の購入の削減   できる □   できない □
  <お付き合いの積立金、株式等の定期購入はないか?>


 どうでしたでしょうか?

以上の14の検討事項をチェックして、
御社にあった資金改善策を実行して下さい。





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