第109回 キャッシュフローを改善しよう

 今回は、前回解説したキャッシュフローを改善する方法として、以下の12の検討をすることをお勧めします。重要な順番で検討します。そのひとつひとつの検討事項ごとに、「できる」・「できない」を判断し、「できる」ものから実行することが重要です。


(1)業績を上げる。

 利益を上げる体質になれば、資金繰りは必ず良くなるのです。もちろん成長過程において、利益が出ていても資金が足らなくなるのが、会社経営の常です。しかし、赤字体質で、資金繰りが良くなるはずがないのが当り前のように、黒字体質でなければ、長期的に見て、資金繰りが楽になる事もありえないのです。

 検討 1:固定費の削減ができるか?
 検討 2:変動費の削減ができるか?
 検討 3:売上高の増加ができるか?


(2)資産の見直し

 流動資産の中で、現金以外の資産をゼロに近づけることが重要です。それが実現できれば、現金が増えるからです。

 検討 4:棚卸資産の削減ができるか?
 検討 5:売掛金・受取手形などの売上債権の削減ができるか?
 検討 6:貸付金などの削減ができるか?


(3)負債の見直し

 負債の見直しと言っても、検討7は、前受金だけを検討します。前受金だけは、他の全ての負債科目と性格を異にします。理由は、前受金だけが、将来「売上高」という収益科目に変化するもので、返済不要の負債科目だからです。

 検討 7:前受金を増加することができるか?


(4)資本の増資・役員借入金で資金調達する

 自己資本を増やす検討から始めて、他人資本(負債)を増やすことで、現金を増やす事を検討しましょう。ただし、役員借入金以外の負債を増やすことはお勧めはできません。理由は、将来の資金リスクが発生するからです。

 検討 8:資本の増資・役員借入金での調達ができるか?
 検討 9:長期借入金の増加ができるか?


(5)投資は最小限の資金で行なっているか?

 無駄な投資で、資金を使ってはいないかどうかが重要です。

 検討10:不必要な設備投資の削減ができるか?
 検討11:不要な設備(遊休資産)の売却ができるか?
 検討12:固定性預金の積立・有価証券等の購入の削減ができるか?





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