第101回 6要素のポイント〜生産性〜

生産性とは?


一人当りの付加価値 が重要です。

 (役員を含む)社員数または、パートさんも入れて、会社の利益が「一人当りいくら確保されているか」を見ます。

 一人当りの付加価値=付加価値÷従事員数の公式を頭に入れましょう。

 この経営分析公式は、生産性をみる重要な分析値です。この意味を簡単に説明しますと、つぎの通りです。

 「社員一人当りの付加価値を稼ぎ出す力を示します。」会社の経営をする上で、社員一人当りの付加価値の金額の大小で、会社の生産効率を見ることができます。同じ付加価値であれば、少ない人数(少数精鋭)で社員数を抑え、一人当りの付加価値の額が大きいほうが、経営活動のスピーディさが良いと判断できます。


社員の人数を適切に求める

 さて、この生産性を分析する場合の大切なポイントは、社員の人数を適切にカウントすることです。

 例えば、正社員(常勤の役員を含む)が10名の会社と、正社員5名とパート5名の会社と比べたとき同じ人数として取り扱うには、少々無理があります。

 どうすれば良いでしょうか?

 答えは:正社員の平均年間労働時間(残業を含む)を基準にパートの人数を正社員に換算します。

 例えば、正社員の平均労働時間が2,200時間とし、パートの平均年間労働時間が、1,100時間とします。

 そうすると、1,100時間÷2,200時間=0.5 という計算ができます。

 この0.5とはパート1人を正社員として計算すると0.5人分と言うことになります。

 このような場合、正社員5名とパート5名の会社は、5人+5×0.5=7.5人として人数を求め、生産性を計算する人数とすると良いのです。


検討事項(改善のヒントとも言う)

i. 付加価値の額は、売上高×付加価値率=付加価値 の公式に当てはまる。売上高を増やすことはできないか?付加価値率を増やすことはできないか?

ii . 必要最小限の人数で、仕事をこなしているか?一人当りの付加価値が、自社の目標より低い場合、余剰人員の人数を求め、改善することも必要です。
余剰人員の求め方
現在の人数−(付加価値÷目標一人当り付加価値)=余剰人員


iii. 業界の付加価値レベルの水準を検討し、平均以上を最低目標として、付加価値をあげるか、人数を削減するかの手法を検討しましょう。


大事な視点

 正社員を減らして、パート化したほうが良いのか、それとも正社員を増やしていくべきなのか迷っている社長へ一言。

 「御社の商品・サービスが、どのように生産し、販売するかというフロー図を作りましょう。

 このフロー図には、その生産や、販売に必要な人数とその人員の職務能力を書き込みましょう。そうしますと必要最小限の人数と必要な職務能力(正社員でないといけない能力か、パートで対応できる能力か)がわかります。

 御社のベストパフォーマンスが描けます。是非試して下さい。」と。

 生産性の分析には、「一人当り付加価値」以外にはどんな指標があるのでしょうか?


一人当り営業利益

 社員一人当りの本業活動により得られる成果を示します。

一人当り経常利益

 社員一人当りの事業活動全体により得られる成果を示します。

労働分配率

 儲け(稼ぎ高)の中でいくら給与になっているかを示します。

固定資産投資効率

 設備がどの程度効率良く稼いでいるかを示します。






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