第100回 6要素のポイント〜収益性〜

収益性とは?


収益性のポイントの1つ目は「付加価値率」です

 “付加価値=限界利益=売上高−(仕入+外注費)”の公式を頭に入れましょう。

 この経営分析公式は、収益性をみる重要分析値です。この意味を簡単に説明しますと、つぎの通りです。

 「売上を上げて、直接どれくらい儲かるか、商品力の強さを示します」と言う事です。

 会社の経営を行う上で、「何を取り扱っている会社」かというのは大切な要素です。つまり、どのような「商品・サービス」を取り扱うかで、会社の性質も理念も変わってくるのです。経営には、いくつかの「利益」があります。この中で、最大の利益の額は、付加価値の額です。例外的に多額の保険金が会社に舞い込めば、税引き前利益が損益計算書の中で、最大の金額になる可能性はあります。しかし、そんなイレギュラーな話ではないのです。ですから、会社の「収益力」つまり「儲ける力」は、付加価値でみると良くわかるのです。


付加価値率改善のヒント

i. 仕入・外注費は適切か?もう少し安く仕入れる手法は無いか?を検討する。
例えば、三社見積、二社発注という大原則がシステム化出来ているか?

ii . 売価は適切か?つまり安すぎていないか?何かを付け加えて高く売ることが出来ないか?例えば、「おまけ」を付ける。包装をよくする。販売員の笑顔、接客の仕方の工夫が足りているか?

iii. 顧客層の高級志向を喚起できないか?お客様のグレードを上げて商品を高く売れる仕組みを作ることはできないか?

 このような分析と改善手法が検討されて、具体的な改善策が、将来大切な道筋になっていきます。

 では、収益性の分析には、「付加価値率」以外にはどんな指標があるのでしょうか?

その2:総資本経常利益率
 経常利益÷総資本  経営活動の効率化をみており、会社の実力がどれ位かを示します。

その3:売上高営業利益率
 営業利益÷売上高  本来の営業利益によりどれ位儲かるか、本来の実力を示します。

その4:売上高経常利益率
 経常利益÷売上高  事業活動の成果を判定していて事業活動全体として実力を示しています。

その5:売上高支払利息率
 金融費用÷売上高  金融費用(支払利息−受取利息)の負担がどれ位かを見ており、金利負担の効率を示します。





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