第8回 決算書から  自社の経営体力の基本「6要素診断」
健全性について

 前回で [安定性] を解説しました。
 今回は [健全性] の中味・内容について解説をしていきます。


 健全性とは
会社の財政状態の良否、支払能力の程度をみているものです。それは、会社を継続的に運営していくために必要な資金の出所・使われ方は適正か、必要な資金をいつでも調達できる体制になっているかどうかということです。



健全性は決算書の
「貸借対照表」から見ています。
その関係は下図に示す通りです。





まず(1)の 流動比率 です。
 現在の資金状態(流動性)を示します。
 この数字が大きいほど支払い能力があり、企業が健全であることを表しています。
 算式は
  流動資産 ×100  (%) です。
流動負債

次に(2)の 当座比率 です。
 現在の支払能力を示します。
 流動資産の中でも、比較的早く現金化できるものが「当座資産」です。
 当座資産は現金、預金、受取手形、売掛金、有価証券等で、
 流動負債返済のためのより確実な資金にすることができます。
 算式は
  当座資産 ×100  (%) です。
流動負債

次に(3)の 固定比率 です。
 設備投資は自己資本で賄っているかを示します。
 土地や建物、機械設備などの固定資産は、長期間使用することによって
 利益を生み出す資産です。
 短期的な資金を固定資産の投資に回したり、過大な資金を固定資産に
 投資したりすると、資金繰りに行き詰まる恐れがあります。
 算式は
  固定資産 ×100  (%) です。
自己資本

次に(4)の 固定長期適合率 です。
 設備投資は長期資本で賄っているか(無理はないか)を示します。
 固定資産投資がどの程度、他人資本(長期借入金など)を含めた長期的資金で
 賄われているかを調べます。
 算式は
  固定資産 ×100  (ヶ月) です。
自己資本+固定負債

最後に(5)の 自己資本比率 です。
 自前の資本力を示します。
 自己資本は、会社にとってどこにも返済したり支払ったりする必要のない、
 自分の資金ですから、会社が使う総資本のうち、自己資本の比率が大きければ
 大きいほど、会社の資金調達方法は健全で、企業の生命力・抵抗力も強いと
 いうことになります。
 算式は
  自己資本 ×100  (%) です。
総資本

以上の算式に則って、自分の会社の [健全性] 状態を把握してみたらどうでしょうか。


次回は [成長性] について、解説をします。





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