第6回 決算書から  自社の経営体力の基本「6要素診断」
資金性について

 前回で [生産性] を解説しました。
 今回は [資金性] の中味・内容について解説をしていきます。


 資金性とは
経営活動の投下・運用した資本によって販売活動が行われ、それが売上によって回収されます。そこで投下した資本が無駄なく使われているか、そして、その回収速度はどうかをみているものです。



資金性は決算書の
「損益計算書」と「貸借対照表」から見ています。
その関係は下図に示す通りです。





まず(1)の 総資本回転日数 です。
 投下した資金の活用状況を表し、販売活動の活発さを示します。
 算式は
  365÷ 売 上 高  (日) です。
総 資 本

次に(2)の 受取勘定回転日数 です。
 代金回収の早さを示します。
 販売しても現金化できませんと経営を圧迫します。
 つまり利益を生み出したかを見ます。
 いかに早めていくかが大切です。
 算式は
  365÷ 売 上 高  (日) です。
受取勘定

次に(3)の 棚卸資産回転日数 です。
 棚卸資産の足の早さを示します。
 在庫はお金です。
 在庫をいかにスピーディに現金化していくかが重要です。
 算式は
  365÷ 売 上 高  (日) です。
棚卸資産

次に(4)の 固定資産回転日数 です。
 設備の売上への貢献度を示します。
 算式は
  365÷ 売 上 高  (日) です。
固定資産

最後に(5)の 支払対受取勘定日数比 です。
 回収と支払のバランスを示します。
 このバランスが崩れると資金ショートをきたしてしまいます。
 算式は
  365÷ 売 上 高  対 365÷ 売 上 高
受取勘定 支払勘定

以上の算式に則って、自分の会社の [資金性] 状態を把握してみたらどうでしょうか。


次回は [安定性] について、解説をします。





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