第4回 決算書から  自社の経営体力の基本「6要素診断」
収益性について

 前回で“決算書から自社の経営体力の基本「6要素診断」”を解説しました。
これから「6要素」の中味・内容について解説をしていきます。
今回は [収益性] です。

 収益性とは
会社が成長・発展していくために必要な収益が獲得できたかどうかをみているものです。
また、会社の存続・さらなる飛躍が遂げられるよう、十分な収益をあげることができるかどうかの判断材料となります。



収益性は決算書の
「損益計算書」と「貸借対照表」から見ています。
その関係は下図に示す通りです。





まず(1)の 総資本経常利益率 です。
 これは総資本に対してどれだけの経常利益を稼いだかを見るものです。
 経営活動の効率をみており、会社の実力がどれ位かを示します。
 算式は
  経常利益  × 100  (%) です。
総資本
 
次に(2)の 付加価値率 です。
 一般的に粗利益と呼ばれます。
 売上をあげて、直接どれ位儲かるのか、商品力の強さを示します。
 算式は
  付加価値  × 100  (%) です。
売上高

次に(3)の 売上高営業利益率 です。
 本来の営業活動によりどれ位儲かるのか、本業の実力を示します。
 この数値がマイナスですと営業活動に支障をきたします。
 算式は
  営業利益  × 100  (%) です。
売上高

次に(4)の 売上高経常利益率 です。
 金利等の支払いをした後の経常利益は中小企業にとって一番重要です。
 したがって事業活動の成果を判定しており、事業活動全体としての実力を示します。
 算式は
  経常利益  × 100  (%) です。
売上高

最後に(5)の 売上高支払利息率 です。
 金融費用の負担がどれ位かをみており、金利負担の効率性を示します。
 算式は
  金融費用  × 100  (%) です。
売上高

以上の算式に則って、自分の会社の [収益性] 状態を把握してみたらどうでしょうか。


次回は [生産性] について、解説をします。





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