経営成績と財政状態 損益計算書は、期首から期末における経営成績を表しています。経営成績とは、投下した資本により、いかに仕入れ(作り)、売り上げ、経費をかけて利益を生みだしたかを示すものです。 貸借対照表は、期末における財政状態を表しています。財政状態とは、資金の調達および運用の状態をいいます。 損益計算書により収益力を、貸借対照表により資金力を把握します。さらに両者の関係から投下資本の効率性を把握します。 利益の源は (1)前年より増客する。生涯顧客をもつこと。 (2)売り物を磨くこと。単価と数量で勝負する。 (3)ヒト・モノ・意識等々を絶え間なく革新していくこと。
変動費と固定費 費用は、変動費と固定費に区分されます。 変動費 とは、売上の増減に伴って変動する費用で、商品原価・材料費・外注費により構成されます。 固定費 とは、売上の増減に関係なく固定的に発生する費用で、人件費・原価償却費・金利等により構成されます。 付加価値(限界利益) 付加価値 とは、売上高から変動費を差し引いた金額です。 付加価値は、限界利益 とも呼ばれます。この付加価値(限界利益)より固定費が支払われます。 付加価値から固定費を差し引いたものが経常利益 です。 固定費が付加価値より多くかかってしまうと、経常利益はマイナスとなります。すなわち、付加価値とは「ここまでの金額に固定費を抑えれば赤字とはならない限界の金額」といえます。 損益分岐点売上高 損益分岐点売上高 とは、経常利益がゼロとなる売上高をいいます。 言い換えれば「固定費と同額の付加価値を生むための売上高」となります。 「固定費÷付加価値率(付加価値÷売上高)」という算式により求められます。
使途と源泉 上記表の左半分(借方)は、資金の使途(使い道)を示しています。 流動資産は、下記のように区分されます。
上記の右半分(貸方)は、資金の源泉(調達方法)を示しています。 資本の部は自己資本 とも、いわれ、資本金と利益の留保額により構成されています。 自己資本を強化することが重要です。 資本の部以外は他人資本 とも、いわれ、他から借入と考えられます。 運転資金と設備資金 上記表 の部分により、自社の運転資金を把握することができます。 流動資産から流動負債を差し引いた部分を正味運転資金 といいます。 正味運転資金が豊富であれば、日常の資金繰りは楽だといえます。ただし、多額の不良在庫を抱えているような場合、その部分は除外して考える必要があります。 上記表 の部分により、自社の設備資金を把握することができます。 固定資産・繰延資産(設備投資)に投入された資金は固定化されます。したがって、正味運転資金 (固定負債・資本の部)により調達されることが重要です。
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