第97回 中小企業経営者にとって「仕事」は「人生」です!!

 2月5日発刊の読売新聞に大きな見出しで、「ものづくり大国 危機」という活字が目に飛び込んできました。世界に誇った日本技術の優位性に陰りが見えはじめ、製造業の大企業が軒並み決算総崩れの状態です。パナソニックとソニー、シャープ3社が発表した2012年3月期の業績予想では、税引き後赤字の合計が1兆2900億円に達するとのことです。これは、リーマンショック後の2009年3月期(3社赤字総額6036億円)の2倍規模になりそうとのことです。歴史的な円高やタイの洪水などのダメージに加え、ものづくりの基盤が揺らいでいるのです。

 日本は、原材料を輸入して製品を輸出する付加価値の高い「加工貿易」をお家芸としてきましたが、技術の優位性に陰りが見え、大手製造各社は従業員を維持できなくなりつつあります。それにともない経営合理化の発表が相次ぎ、各地の企業城下町に動揺が広がっています。最終的には中小企業がそのしわよせを受けてしまいます。

 大手企業では業績悪化の責任を取って、トップの交代が行われますが、中小企業はそうはいきません。替わる人材がいないのです。中小企業の責任は最後までトップである社長が取らなくてはならないのが現実なのです。会社を取り巻く環境の激変は、天が与えた警告と捉えて変革していかなくてはならないのです。それが社長の仕事なのです。24時間体制くらいの気持ちで取り組んでいかなくては中小企業の経営者は務まらないのです。

 「仕事」=「人生」!!中小企業経営者の多くの方が感じている思いです。

 京セラの稲盛和夫氏が「仕事と人生」の成功の法則を唱えています。多くの経営者の方はご存知かもしれません。その法則は、「考え方×熱意×能力」といわれます。「熱意」と「能力」は、0〜+100の範囲ですが、「考え方」だけは、−100〜+100の範囲で全く違った世界になってしまうのです。つまり、考え方が「全てプラス発想か、マイナス発想か」で、いくら熱意や能力が高くても全く違った世界をつくってしまうのです。ですから、経営者は人格、人間性を磨き続けなければならないのです。中小企業経営者は社業に追われ、忙しい身ですが、限られた時間を利用して自分磨きをしています。大企業はトップの交代によって変革を実行しますが、中小企業は経営者自らの変革によってしか、実行はできないのです。経営者としての自分磨きをする上で、マネージメント・パワーは大きなヒントを与えてくれます。

 マネージメント・パワーとは、経営に対する考え方や姿勢について質問に答えていくことで、自分の経営力を把握することが出来るようになるものです。経営力とは会社の業績として数字に現れる部分だけで判断するのではなく、会社を率いる経営者の思いや行動による部分を含めて決まっていきます。特に中小企業にとって経営の成果である数字は決算書等で見えますが、その成果を作り出す社長の経営力は数字では表せませんその見えない経営力を見える化し、それをいかに引き上げるかが重要です。経営者が経営力を上げることで、成果である数字があとからついてくるのです。


 決算診断の詳細についてはこちらをご覧ください
  → 経営に必要な様々な情報・サービスを提供「決算診断実践会」



Produced By
「決算診断」プロス
株式会社プロス