第93回 生涯顧客の創造が安定経営の源!!

 「顧客なくして、企業経営なし」です。3.11以降、様々なことが日本全国で起きています。被災地は復興もままならず、原発事故による放射能汚染も未解決のままですし、その地の住民の方々は大きな不安の中で生活を余儀なくされています。また経済においては円高問題は「中小零細企業者や国内雇用への悪影響も空洞化が懸念されている。そこに総理が変わった「どじょう内閣」である。一ヶ月経過した内閣の仕事ぶりは国民の期待通りではなく、復興支援活動等も増税問題も絡んでスピード感を持って進んでいない感じを受けます。

 被災地で大きな打撃を受け再起もおぼつかない状況の中で、ゼロからの出発ではなくマイナスからの出発をされている元気な中小企業も多くいます。それは、長いお付き合いをされているお客様からの温かい励まし等による後押しがあればこそです。本当にお客様との信頼関係は大事であると思います。


 会社経営にとって既存顧客の維持こそ大事なのです。離反顧客をなくすことです。そのためにも顧客関係性を高めていくことを重視しなくてはなりません。現在の顧客に最高の価値を提供し満足をしていただくことです。新規顧客開拓も大事です。しかしながら、新規顧客獲得にはコストと時間がかかり、なかなか獲得することは厳しいのです。顧客増加は中小企業の発展に不可欠の要素ですが、その裏で、既存顧客が他社へ移っていないだろうか!と考えてみることも大事です。著名なマーケティング学者のフィリップ・コトラーによると、新規顧客獲得は既存顧客維持の5倍のコストがかかるそうです。既存顧客の離反は、新規顧客獲得に要する膨大な時間とコストをかけていることの裏返しであります。

 新規顧客を獲得した時は、発展の成果という賞賛をされがちですが、顧客を失った時は、マイナスには目を向けないで、その状況を把握していない事態に陥ってしまうことがありがちです。そのままの状態を放置しているとまた離反が起きてしまうのです。離反された会社の人によく聞いてみることが重要です。「何が問題だったのか!担当者に問題があったのか!会社自体に問題があったのか!」、離反者自身に問題があったかも知れません。とにかく、聞いてみる、検証をしてみることが何よりも大事かと思うのです。

 「顧客の警告」を見逃さないことです。顧客にしても「気に入っているサービスを提供している会社」を変えたくはないはずです。このような顧客は、他社に移りかえる前には必ず「警告」を発しているのです。担当者の無知もある。「コミュニケーションがない。情報を教えてくれない。商品内容に知識がない」等々の問題があるかもしれません。顧客とのコミュニケーションが何よりも大事です。「顧客満足」が大事です。顧客からの警告を見逃したり、対応が不十分で顧客の期待を裏切ったりすると、顧客は離れていってしまうのです。

 特に中小企業は経営者の経営に対する考え行動によって「顧客離れ」を防ぎ、「顧客満足」を高め、何かが起こった時にも温かい支援をしていただける関係強化を図ることが出来るのです。そのためにも、自分の経営に対する考え・行動の変化を最低限年一回の決算時に行っていくことが重要です。その変化を知りうるものが「マネージメントパワー」です。

 経営者としての要素を8つの視点で分析し、どの要素が強いか、弱いかを自己評価で確認でき、それぞれの要素についてのヒントを得ることができます。

 会社は社長次第、社長の経営力が向上することで、会社の成長にも大きく影響してきます。毎年同じ質問に向き合い、1年の成果を振り返ることで自分の中にある答えを引き出し、次の目標へと踏み出す良いきっかけとなってくれるのです。


 決算診断の詳細についてはこちらをご覧ください
  → 経営に必要な様々な情報・サービスを提供「決算診断実践会」



Produced By
「決算診断」プロス
株式会社プロス