第83回 営業力の原点・お客様との関係性を高める!!

 私たちは、お客様や職場の仲間、また家族知人といったさまざまな人と毎日接触を持ちます。コミュニケーションには慣れていると思っているのに、実際には多くの場面で、「えっ、そんなつもりじゃないよ」などと、ちょっとした誤解が生じることがあります。反対に、双方向のコミュニケーションが上手にかみ合って意気投合し、時間を忘れるほど話に夢中になることを経験することもあります。相手がこちらの真意を分かってくれて自分を認めてくれたと感じるのです。その満足感がその後のお互いの人間関係をよりよいものにしていくのです。

 では、どうすればより良い人間関係を築いていけるのでしょうか。お客様との関係性を高めていくためには、まずお客様に好印象を持ってもらう必要があります。そこには、好かれる話の聞き方というものがあります。


 会話をするときに、以下の点に気をつけると、お客様の不安や緊張を和らげて、リラックスしてのびのびと話ができる雰囲気をつくり上げることができます。

1. 視線を合わせる
話をしているときに、相手と目が合っていれば親近感や誠実さなどを相手に感じさせるといいます。視線を合わせることで、お客様に「関心を持っています」と伝えてください。

2. 話に応じた表情をする
お客様に顔を向け、柔らかい視線とともに感じのよい表情を送ります。それは、「今のポイント、よくわかりました」という確認になります。明るい話には明るい表情を、悲しい話には悲しい表情で同調すると、お客様を安心させ、より真剣に聴いているという印象を与えます。

3. あいづちの打ち方
無表情・無反応・無感動な聞き手では会話が途切れてしまいます。次に示す場面であいづちをタイミングよく打つと、お客様も話をしやすくなりますので、そのコツをつかんでください。
●同意・受容 ●同調・同情 ●驚き ●誘い ●感心 ●疑問 ●転換・発展

4. 相手との距離と空間の活用
相手との実際の距離は、相手をどう思っているかという心理的距離に比例します。親しい相手には自然と近づき、片手で相手の肩に触れる距離(1m以内)でも違和感がないでしょう。しかし、初めてのお客様には1.2〜1.5mくらいの距離でないと馴れ馴れしくて失礼になります。また、真正面は理性の空間です。けじめのある話ができます。


 好かれる話の聞き方の次は、信頼を生む聞き方です。
報告や説明、説得など話の目的をはっきりと意識し、目的に応じた正確な聞き取り方をすることが重要です。それにより信頼性が高まります。4つのポイントが重要です。

1.メモを取る
2.事実と推測、感情、期待を聞き分ける
3.説得するときは相手の自尊心を守る
4.自分の言葉で投げ返す


 お客様との関係性と高めることは、以上の「当たり前のことをしっかりと実行する」ことにより実現します。営業力とは対人間関係力に他ならないのです。まずは、実行して、その成果を実感してみてください。

 話を聞くことと同様に、自分の話を聞いてもらえる相手を見つけることも重要です。企業経営をする上で抱く様々な悩みや思いを言葉に出して、自分自身で再確認するためにも、自分が聞く姿勢と同じスタンスで聞いてもらえる相談相手すなわち経営の相談役となる存在を持つことです。直接の利害関係がなく、会社の経営について忌憚なく相談できる会計事務所とのよい出会いが成長しつづける企業を育てていくことになるのです。


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