第82回 人と組織の力で企業活力を再生する!!

 変化が激しく、先行きの見えない社会情勢のなか、安閑と何もしていなければ、企業の寿命はあっという間に尽きてしまいます。組織を維持し、つねに活性化させるために、経営者に求められるものとは何でしょうか?

 企業は成長と革新の繰り返しで再生するといわれます。「再生」とは、生き返えること、生き返らせること、生気を取り戻すことと辞書にあります。経営者に求められているものは、企業に生気を与え、活力漲る身体に生き返らせることではないでしょうか。

 企業の再生は、社会環境の変化を受けながら、成長期と革新期、踊り場のマンネリ期を経て展開をしています。マンネリの期間が長くなるとリスクを背負うことになり、市場からの撤退を余儀なくされてしまいます。これが市場の原理なのです。今の企業経営の難しさは、「成長・革新」のサイクルが、以前に比べビデオの倍速を見るように速くなっていることです。このスピードについていかなければ、市場からの撤退という厳しい現実を突きつけられるのです。


 組織再生力を高めるためには、職場の活性化とその維持は欠かすことはできません。

 再生力を持つ組織には6つの特徴があります。それは、

(1) 一人ひとりが高い意識(帰属意識=貢献意欲)と能力(専門能力)を持っている
(2) 共通目的に向かって、組織の構成員である社員が同じベクトル(方向)を向いている
(3) 同一の危機感を抱き、連帯感がある
(4) コミュニケーションが行き渡り、高い関係性が構築されていて信頼感がある
(5)組織内に誇りと効力感が維持されている
(6)イキイキ、ノビノビ、ワクワク、明るく温かい

 自分の会社の現状はいかがでしょうか?上記の(1)から(6)の特徴が自分の会社に見出せるでしょうか?自分の会社の現状を知るために、社員に以下のアンケートをされてみてはいかがでしょうか。

(1)働くことは楽しいか
(2)仲間と過ごすことは楽しいか
(3)働きがい、生きがいと感じているか
(4) 職場でワイワイガヤガヤとにぎやかに、それぞれが積極的に発言しているか
(5) それぞれの専門性を明確にし、相互に啓発をしあっているか
(6)認め合い、共感し合っているか
(7)役に立っているという誇りを持っているか

 経営者にはなかなか本音は言えないでしょうから、第三者から聞き出してもらってみるといいかと思います。一番適している第三者は信頼できる会計事務所がよろしいかと思います。是非、企業再生を目指して、組織活性化を図っていってください。

 中小企業に残された最後の資源は「ヒト」だといわれます。モノ・カネは外部から調達することもできますが、「ヒト」=「組織風土」や「やる気」などは自社内で培わなければ得ることができません。まずは職場活性化のために何ができるかを洗い出し、目標を立てます。目標に向かって会社としてどのように行動するか、年頭に計画を立て実行度合いを確認し、その成果を診断するというサイクルをまわすことができれば、組織再生力を発揮できることと思います。


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