第80回 会社経営は予防の時代!!

「人間ドック」から「企業ドック」へ

 昔から「予防に勝る治療なし」と言います。病気になってから医者にかかるより、病気になる前に医者にかかる方が結果的に安上がりで、長く健康を維持できるという戒めです。名医を多く知っていようが、高額の医療保険をかけていようが、末期がんで病院に搬送されては手遅れです。病を治すのは医者の仕事ですが、病を防ぐのは自分の仕事・責任なのです。後始末より前始末をつけていくのが、「管理」の本来の目的・意義というものです。

 日本人間ドック学会が8月19日に発表した調査結果によりますと、2009年における全国の人間ドック受診者301万人のうち、A(異常なし)およびB(心配なし)判定の健常者が占める割合はわずか9.5%だったそうです。1984年では29.8%と約3割だったものが、25年間で1割を切った。「異常あり」の受診者は過去最高の90.5%。つまり10人中9人が“病人予備軍”ということになります。異常を認められた人の割合が高い項目は、「高コレステロール」(26.5%)、「肥満」(26.3%)、「肝機能異常」(25.8%)の順で、“生活習慣病”が上位を占めるとのことです。



  これを企業に置き換えてみると、企業も健康だと思い込んでいたら体が害され、更には癌に侵され、最後に倒産という死を迎えることが多いのが現状ではないでしょうか。

 そうならないためにも、今、企業経営者が行うべきことは、会社の健康診断というべき「企業ドック」を最低年一回、行うことではないでしょうか。

 会社の健康診断を行っていないと、「わが社の状態は青信号か、黄信号か、赤信号か?」が分からず、会社の実態を知らないことから生まれる悲劇が多々あるのです。現在の中小企業の80%は赤字状態です。この過酷な状況の中で、経営者にとってなくてはならないものが「経営の羅針盤」であり、現状から未来を知ることができる「企業ドック」があるのです。

 会社の健康診断である「企業ドック」は、定量分析の「決算診断提案書」と定性分析である「マネージメント・パワー」で実施することが大切です。

 定量分析とは、目に見える部分=数字から分析することです。目に見えるといっても、売上高だけ、利益だけといった単一の視点で見るのではなく、会社全体・経営という視点からバランスが取れているか、無理がないかなどを見ることが重要です。そのために経営の総まとめである「決算書」の数字を様々な指標から分析し、その結果を経営者自身が理解し、次の経営に活かしていかなくてはなりません。その難しい分析を分かりやすくしたものが「決算診断提案書」なのです。そして、定性分析は目に見えない部分=経営者ご自身の経営に対する思い、考え、行動を分析することを言います。この目に見えない部分を、簡単なアンケートでご自身の経営力をチェックできるのが「マネージメント・パワー」です。

 企業経営を永続させるための良きパートナー(会計事務所)であれば、これらの定量・定性分析から経営の相談役としてこの厳しい時代を乗り切り、共に成長していけるのではないでしょうか。


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