第74回 経営の神様:松下幸之助から学ぶ!!

 政治・経済・気候・天変地変、大変化の時代です。相当の危機感を持たないと生きられなくなりました。「運は強いぞ」と自分の強運を感じて経営の舵取りをしていきませんと自分の会社を守ることはできません!人生には「3つの坂」があるといいます。「上り坂・下り坂・まさか」です。多くの業界は、ライフサイクルでいう成熟期にいると思います。得意先からの引き下げ要求、突然の解約等に対する恐怖に怯えながらの経営活動の日々です。チャップリンが言っていた、人が生きるために必要な3つのもの「勇気と想像力とサム・マネー」があります。勇気と夢や希望を持っていることがこれから大事かと思うのです。

 経営者には予感とか実感が大事です。「悪い事が重なると、うつになり、だめかなー」と思う気持ちに貧乏神や死神がとりついてきます。「絶対大丈夫だ。絶対によくなる。出来る」と予感すると福の神がついてくるのです。「おれは運が強いぞ」そこに「贈り物を受けとること」ができるのです。その「運は強いぞ」と思えるために、松下幸之助から今、学ぶことがあります。

 幸之助は、大阪電灯会社へ入社し大阪築港の桟橋から船に乗って仕事場に通っていた。夏の頃のある日、帰りに船べりに腰をかけていると、一人の船員が幸之助の前を通ろうとして足を滑らせた。その拍子に幸之助と二人はそのまま、まっさかさまに海に落ちてしまったのである。

 びっくりした幸之助は、もがきにもがいてようやく水面に顔を出したが、船はすでに遠くへ行ってしまっている。“このまま沈んでしまうのか”不安が頭をよぎった。ともかく夢中でバタバタやっているうちに、事故に気づいた船が戻ってきてようやく引き上げてくれた。“今が夏でよかった。冬だったら助からなかっただろう”と、幸之助は自分の運の強さを感じた。

 また、こんなこともあった。松下電気器具製作所を始めたばかりの頃、自転車に部品を積んで運んでいたとき、自動車と衝突したのである。5メートルも飛ばされ、気づいたときには電車道に放り出されていた。そこへ電車が来た。“やられる”と目をつぶったが、電車は急ブレーキをかけて幸之助のすぐ手前で止まった。部品はあちこちに散乱し、自転車はめちゃめちゃに壊れたが、幸之助はかすり傷一つ負わなかった。

 これらの経験から幸之助は、“自分は運が強い。滅多なことでは死なないぞ”という確信をもった。そして“これほどの運があればある程度のことはできるぞ”と、その後、「仕事をする上で大きな自信」になったという。

 幸之助は、神秘的なものに強く引かれるところがあった。八人兄弟姉妹の中で自分だけが生きながらえ、かくも成功を収めたという、彼の人生自体が一種の神秘体験であったためであろう。

 事業が軌道に乗りかけていたころ、幸之助は松下家が没落する前に和歌山の屋敷へ来ていた元の女中と話をする機会があった。その時彼女は実に不思議なことを口にしたのだ。「ある日、屋敷の蔵の下から蛇が出てきて大騒ぎとなり、一家総出で打ち殺したことがございました。一家に不幸が続いたのはその蛇の祟りのように思うのです。幸さんはまだ赤ん坊でいらっしゃいましたから、子守の背中におぶわれていて祟りを受けずにすんだのでしょう」

 彼の両親兄姉はすべて鬼籍に入った。みな若くして貧窮のうちに死んでいったのだ。その悲惨を思うと、彼女の話との間に不思議な符合を感じずにはいられなかった。

 その後、脇の道を歩いていたとき、大変珍しい白い蛇が道の前を横切っていくのに遭遇し、「いよいよ自分と蛇との不思議な関係を思った。と同時に、縁起のいい白い蛇に出合ったことで事業の成功を確信するのである。」松下電器本社の入口近くに、そのときの白い蛇を祀った「白龍神社」がある。

 経営の神様:松下幸之助には誰しもなれませんが、自分の強運を信じていく上で、毎年経営をしていれば訪れる「決算」を自分の「白い蛇」と思って参考にしてみてはいかがでしょうか?会社が生きている証として「決算書」が作成されます。

 生きている証だけではなく、これから先の運を開くヒントが「決算書」にあるのです。「決算診断」により、自分の会社の運を探し出していってください。


 運を開くには、ただ待っているだけでは、いつまでたっても変わりません。「天は自ら助くる者を助く」という言葉の通り、自ら動き出さなければ、天も助けてはくれないのです。その動き出すキッカケとして、自社の決算書から会社の「強み・弱み」をしっかりと把握して、長所を伸ばし、短所を埋める行動をとっていくことこそ、今の時代に求められているのです。





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