第73回 「仕分け」と「仕訳」を考える!!

 アメリカはオバマ大統領のもとで「チェンジ」で新しいスタートを切り、日本では自民党から民主党へと「政権交代」が起きました。しかし、時間の経過と共に大問題が起きはじめています。多くの問題の中で事業仕分けが行われました。仕分ける人と仕分けられる人が、にらみ合いぶつかり合っていたのです。「仕分け」の意味は、(品物・物事などを)分類・区別することです。いつの間にか魚や野菜の種類を仕分けるように、ヒトの行動や人格まで仕分けるようになってきています。

 仕分けは民主党だけの専売特許ではありません。いま市場も、事業も、地域も、個人も、仕分けすることが最大の戦略になってきました。モノはオーバーストック状況で、正にモノはあふれ、安く、デフレの現象が起きています。老舗百貨店も消費者の嗜好の変化に気づかなければ閉店を余儀なくされてしまう時勢です。マーケットをもう一度、痩身に引き戻さなければいけません。

 「仕分け」を行い、自らの健康診断をし、捨てる!共有する!厳選する。本来の専門性、独自性を取り戻す必要があります。その意味では仕分けは大事だと思うのです。「仕分け人」が仕分けの重要性を知らずに「1番ではなく、2番ではいけないのですか?」とんでもないことが政治の中で起きたら重大なことです。

 同じような言葉に「仕訳」があります。「仕訳」とは「簿記上の取引を借方、貸方に分け、それぞれに適正な勘定科目を定めて、ふるい分けること」です。会計人は「仕訳人」です。「正規の簿記の原則」に従って間違いのないよう、会計事務所は月次業務のために月次訪問をしているのが当然です。しかし、会計事務所の中でも「仕訳」でなく、分けのない「仕分け」をしている人も多いのです。パソコン財務やインターネット会計での自計化?安価で!チェックもしないで!決算まで行ってしまい、決算時に多くの問題が起きているのです。

 そこは税務調査時に税理士は立ち会わないのです。立ち会ってもわからないからです。だから、「困っている経営者」が中小企業には多いのです。

 今こそ「原点」が大事だと思うのです。会計事務所が行う「月次監査と決算」を自社の経営にプラスアルファになるための付加価値をつけることが非常に大事になってきました。企業経営者も「月次業務」に対する関心を持ちましょう!

 会計事務所が行う「月次業務」には3つの意義があります。(1)つは、試算表の作成(帳簿等の仕訳のチェックの上で)(2)つは、試算表・月次経営提案書の「報告・解説」をする。(3)つは、「相談と情報提供」が経営者と共に「未来!を考える」。(1)は最低行ってもらいたい業務です。(2)と(3)が会社経営にとって価値があるのです。企業経営者はこのこと知っておくべきです。

 会社経営において、ひと月に一度でいいから、会社全体の数字をわかっていただいて、「立ち止まる時間」をつくることが必要です。経営者が日常の多忙の中、ふと「いい考え」や「課題解決」などができるのです!

 これからの時代、真に経営者の相談役として力になってくれる専門家の存在が重要になってきます。しかも、ただ専門性が高いというだけでなく、専門家の視点から経営者に分かりやすくアドバイスできる力を兼ね備えた、経営のコーチともいえることが大事なようです。あなたの身近に経営のコーチ役はいますか?





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