第72回 「波動」で伸びる!!

 「波動」とは、空間(=媒質)の一点に生じたある物理的な状態の変化が、波のうねりのように、周期的・連続的に周囲に伝わってゆく現象のことを意味します。中小企業にとって、経営者の物の考え・見方(=価値観)の変化が大きく経営に影響を与えるのも、この「波動」かもしれません。経営者の「思い」「いかに切に思うか」「何が何でも」「絶対にやる」「切に思うこと」は必ず実現していきます。経営者の「思い、仕事ぶり」=「波動」が経営の成否を分けていくのです。「なぜ、不景気にもかかわらず、うまくいっているのか!」「なぜ業界全般が経営的に厳しいのに、順風満帆の成長をしているのか!」等は、経営者が与える「波動」によるものだと思います。

 「波動」は社員、取引先、顧客に経営方針を徹底し、共鳴させ、経営体質を強化させていきます。

 「波動」とは、

 1.波動は波です。
 2.波動は共鳴です。
 3.波動は干渉します(合うとか合わない)。
 4.波動は場を創ります。
 5.波動はエネルギーを持つのです。


 中小企業経営にとって経営者が「波動」をつくり出すことにより、大きな科学反応を起こし、企業を活性化していくのです。

 経営者は、理念という「波動」を社員に伝えます。
          ↓
 社員一人一人が理念に共鳴すれば、結果としてやる気を起こします。
          ↓
 このやる気自身も波動であるため、社員全体の中に共鳴現象が起こり、やる気をまだ起こしていない社員の心にも、火をつけることになります。

 「波動」が共鳴する空間を社内に創り出します。そして、この「波動」は、更に時空を超え、連綿と受け継がれることになり、それが、その企業に伝統となっていきます。経営者の波動が健全に企業内に伝わる限り、その企業は成長発展のエネルギーを持つことになるのです。

 「波動」がお客様に伝導していく建設会社があります。「縁起のよい家づくり誓いの言葉」社員・職方全員でお客様の前で「朝の儀」を合唱します。「○○様の命をかけた、大切な日光杉の家の仕事を承りありがとうございます。」「私たちは、200%のご満足をいただけますよう最高の仕事を行います。」

 「 一、 お客様に代わり最も厳しい検査を毎日実施することにより、きれいに整った環境の中で最高の家を、自信を持って造ります。
  一、 毎日、徹底した段取りを行い、早い満足の工期で家を完成させます。
  一、 笑顔を絶やさず、親切に、早く、わかりやすい対応をさせていただきます。家造りへ感謝報恩の気持ちを忘れず、新しい建築知識と正しい生き方を、学び実践し最高の自分でお客様へ尽くします。
  よろしくお願いします。」

 このように、お客様に200%のご満足をいただけるよう、最高の仕事を行っていく考えで仕事に取り組んだら、益々発展すると思うのです。

 経営者が良き「波動」を創り出せるためには、経営者自身が自分を常に磨き向上させていこうをいう心構えが必要かと思います。

 忙しい経営環境の中でも自分自身を振り返って経営力を確認し、良い点・足りない点を分かった上で改善に取り組むことが重要です。とはいっても、なかなか区切りがつかない、そんなときは毎年の決算時を振り返りの絶好の機会として活かし、自社の経営状態の棚卸しとともに、経営者ご自身の経営力の棚卸しを行うことで、新たな1年に向かっていく原動力としていけるのです。





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